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本誌記者の特別報道  
調和社会という難題を解決へ

 ――調和の取れた社会をいかに構築するかが、中国共産党第16期中央委員会第6回全体会議(6中総)で再び中心議題となった。

                     李 麗

10月8日から11日まで北京で開かれた6中総は「社会主義の調和の取れた社会の構築に関する若干の重要問題についての決定」を採択した。この「決定」は調和の取れた社会の構築に向けた基本的な考え方や目標と任務、順守すべき原則、重要な施策などを詳述している。胡錦涛総書記が11日に行った重要な演説は、政権党が調和の取れた社会の構築という難題を解決する決意をより明確に表明したものだ。

年に1度開かれる共産党の最重要会議で、調和の取れた社会の構築を特別のテーマとして検討する施策が講じられたのは、党の歴史で初めてのことだ。

社会が直面する挑戦

6中総が発表したコミュニケは「現在、わが国の社会は総体的に調和が取れていると言える。だが、社会の調和に影響を及ぼす矛盾と問題も少なからず存在している」と指摘。比較的際立っている問題が、拡大しつつある貧富の格差や腐敗、社会保障体系の欠如などだ。

中国社会科学院が昨年公表した調査結果を見ると、社会の所得配分の不平等さを示すジニ係数では、都市部はすでに国際警戒ラインをはるかに上回る0.47に近づいており、10%を占める最高所得者層の可処分所得では、同率の最低所得者層の8倍以上にもなっている。

都市部と農村部の格差については、新華社の報道によれば、昨年の1人平均収入比は3.22:1だった。東部の最も豊かな省と西部の最も貧しい省の1人平均GDPの格差は10倍以上もある。

現在、解決の差し迫ったその他の社会的矛盾や問題として、不十分な就業の機会、社会保障体系の整備、経済の持続可能な発展、環境保全、科学技術・教育・文化・衛生面の立ち遅れた現状の改善などが挙げられる。

環境汚染は今、経済の長期的発展と国民生活の向上を著しく脅かす問題となっている。国家環境保護総局と国家統計局が9月に共同で発表した「グリーンGDP報告」によると、04年の全国の環境汚染による経済的損失は5118億元と、その年のGDPの3.05%を占めた。衛生部と水利部が共同で行った調査でも、全国の3分の1を占める農民を含む約3億人の飲料水が、汚染が主因で基準に達していないことが明らかになった。

ここ数年進められてきた医療・衛生と教育体制改革は失敗したとされている。それにかかわる費用が、人口の大多数を占める中・下所得者層の支払能力の限界を越えたからだ。

中央党学校の呉忠民教授は「医療・衛生、住宅、教育などの費用は高めに推移している。大卒者の就職が楽観視できない状況では、人々は将来に不安を抱くだろう」と指摘する。

政府の統計によると、04年の教育投資がGDPに占める割合はわずか2.79%。同期の国際平均は4.4%だ。

経済の飛躍的な成長に伴い、エネルギーの需要量が増えつつあるのに対し、自給率は下がる一方だ。このため、エネルギーの節約と効率的な利用が一層求められている。「第11次5カ年計画」(06~10年)要綱は、10年までに、GDP1万元当たりのエネルギー消費を第10次5カ年計画末期より20%減らす目標を掲げている。

改革の成果を共有

公平で公正な収入配分制度は社会の公正を確保する上で最も肝要な調整メカニズムだ。今回の6中総の精神は、効率重視から公平な配分体制重視への回帰を示唆するものとなった。

現在、社会の人間関係の不調和は主に、所得格差によってもたらされたと見られている。改革開放以降、市場経済に転換するにつれて、既存の配分制度を維持する調節メカニズムにも大きな変化が起きた。

計画経済時代には、賃金水準は国が制御していたため、所得格差は極めて小幅にとどまっていた。ところが、人々の富を創造しようとする意欲はひどくそがれ、経済効率の向上も制約されたことから、改革が必要となった。

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