中国が実行している政党制度は中国共産党の指導する多党協力と政治協商制度である。この制度は中国共産党と民主諸党派が中国の長期にわたる革命、建設、改革の実践の中で共同で確立し、発展させてきたものであり、民主主義革命時期にあたためられ、1949年の中華人民共和国成立後に確立され、1978年の中国共産党第11期3中総以後大きな発展をとげてきた。
中国の政党制度は西側資本主義諸国の多党制や二党制と異なり、また一部の国の一党制とも異なっている。その著しい特徴は、共産党が指導し、多くの党派が協力し、共産党が政権を担当し、多くの党派が政治に参与することである。民主諸党派は共産党と団結、協力する親密な友党と参政党であって、反対党や野党ではない。民主諸党派と協力する中国共産党の基本的方針は、「長期にわたって共存し、互いに監督しあい、肝胆相照らし、栄辱をともにする」である。中国共産党と民主諸党派はいずれも憲法を根本的な活動準則とし、民主諸党派は憲法が規定している権利と義務の範囲内の政治の自由、組織の独立、法律地位の平等を享有している。中国憲法は「中国共産党の指導する多党協力と政治協商制度は長期にわたって存在、発展する」と規定している。
中国の多党協力は主として六種の基本的形式と内容を含んでいる。
第一は中国共産党と民主諸党派が政治協商を展開することである。中国共産党中央は重要な政策決定を行なう前に、一般には民主諸党派の主要指導者と無党派人士の代表を招いて協商会、座談会を開き、情況を通報し、共に国是を協議し、意見を聴取する。
第二は人民代表大会における民主諸党派のメンバー、無党派人士に役割を果たさせることである。民主諸党派のメンバー、無党派人士は全国人民代表大会、全国人民代表大会常務委員会とその専門委員会に適当の比率を占めており、現在、全国各クラスの人民代表大会代表を担任している人は14万人を超えている。彼らは人民代表大会の活動を通じて民意を反映し、国の重要な政策決定に参与し、法律を制定し、政府を監督している。
第三は民主諸党派のメンバーと無党派人士を推薦して各クラス政府と司法機関の指導的職務を担任させることである。現在、8000余人が各クラス政府と司法部門で県・処クラス以上の指導的職務を担任しており、職務、責任、権限があり、共産党の幹部と互いに支持し合い、腹を割って話し合い、重要な役割を果たしている。
第四は中国人民政治協商会議で民主諸党派に役割を果たさせることである。民主諸党派は党派の名義で人民政治協商会議に参加し、意見を発表し、提案を行ない、国の政治活動に参加し、政治問題を討議する。民主諸党派と無党派人士は政治協商会議委員、常務委委員、指導者の中で多数を占めている。現在、全国各クラスの政治協商会議委員を担任している民主諸党派のメンバーと無党派人士は27万人を上回っており、彼らは第10期全国政治協商会議委員の60.1%を占め、政治協商会議常務委委員の65.2%を占め、24人の副主席のうち13人を占めている。
第五は中国共産党と政府が民主諸党派と無党派人士が多くのルートと形式を通じて中国共産党と政府を民主的に監督するのを非常に歓迎することである。たとえば、民主諸党派と工商業連合会で摘発制度を確立したこと、民主諸党派のメンバー、無党派人士を招いて特約監察員、検察員、会計検査員、教育監督指導員、税務監察員、国土資源監察専員を担当させること、民主諸党派のメンバーと無党派人士を重大な案件の調査および税収検査などに参加させることがそれである。
第六は民主諸党派が改革・開放と社会主義現代化建設の実践に参加するのを支持することである。
中国共産党の指導する多党協力と政治協商制度の強味は、広範な民主的参与を実現し、各民主党派と各人民団体、各界人士の知恵を集中し、政権党と各クラス政府の政策決定の科学化、民主化を促進することもできれば、集中と統一を実現し、各方面の利益と要求を配慮することもできること、一党政権に監督が欠如するという弊害を避けることもできれば、多くの政党が紛争を起こし、互いに争うことによってもたらす政治的混乱や社会の不安定と不団結を避けることもできることにある。
2005年2月、中国共産党は「中国共産党の指導する多党協力と政治協商制度の建設を一段と強化することに関する中国共産党中央の意見」を発表した。同文書は、歴史的経験と成功したやり方を総括する基礎の上で、多党協力と政治協商の原則、内容、方式、プロセスなどをさらに明確にし、中国の特色を持つ社会主義政党制度を健全にし、充実させる方向を明示している。
「北京週報日本語版」
|