最近、牛乳の過剰問題の原因と解決策についての報道があちらこちらでみられる。酪農家が余った牛乳を捨てているのは、企業が買い取りを拒んだからだと言われたり、牛乳の消費で低温殺菌牛乳の占める割合が低い製品構造が重要な原因だと言われたりしている。事実は果たしてこの通りなのだろうか。「京華時報」が伝えた。
▽乳製品メーカーの買い取り拒否が原因、はお門違い
酪農家が余った牛乳を捨てるようになった原因は乳業メーカーの買い取り拒否にあるという見方は、中国の乳業市場に対する理解不足だと言える。こうした現象の原因を分析すると、客観的にみて中国乳業界がレベルアップする上で必然的にたどらなければならない道のりであり、ここから乳牛を飼育する中国の畜産業のモデル転換とバージョンアップの重要性が浮かび上がってくる。
業界ウォッチャーによれば、「酪農家は加工原料乳の品質の問題により、安定的で確実な販売ルートを常にもっているわけではない。かつては一連の地域レベルの中小乳製品メーカーが多くの酪農家にとって加工原料乳の主要な買い取り手だった。最近は業界の競争が年々激化し、乳製品の品質に対する消費者の要求がますます高まり、地方の中小メーカーは生き残ることができなくなった。こうして酪農家が余った牛乳を捨てざるを得なくなったことは、容易に理解できる」という。
専門家は酪農家の活路について、「(経営の)大規模化と集約化が乳業・畜産業の発展方向であり、加工原料乳の品質と畜産農家の市場競争力を直接決定づけるものとなる。酪農家は既存の発展モデルを改善し、大規模化と集約化に基づく発展モデルに参入しなければ、大きな発展の可能性をつかまえることはできない。こうしたモデルを真に実現しようとするなら、大手乳製品メーカーは重要な役割を発揮するとともに、やるべきことがたくさんある。ポイントは、乳製品メーカーと酪農家が新たな関係を築くことだ。伊利などの大手メーカーはこのために一連の成熟したソリューションを模索している」と話す。
源流から製品の品質を保証するため、中国乳業界はモデル転換・バージョンアップの過程で、たとえば伊利などの国内大手メーカーは自社保有の牛乳の製造元の発展を加速させたり、乳業を個別の酪農家が担うスタイルから大規模化、集約化、標準化された経営スタイルへと積極的に転換させ、資金、技術、管理などの面で支援を提供し、多くの酪農家を標準化されたファミリー牧場へと発展させている。業界関係者はこうした動きについて、「伊利は大規模化・集約化された酪農に取り組み、中国の牛乳製造元建設のサンプルをうち出し、乳業の健全な発展に積極的な推進効果をもたらした」と評価する。
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