アベノミクスの中身を見ると、その刺激策も構造改革も新鮮なものではないことが分かる。歴代首相もこれに取り組んできたが、いずれも失敗に終わった。安倍首相は前人の失敗を「大胆さが不足」と結論づけたが、1年余りに渡る「大胆すぎる」措置も奏功していない。国内外ではアベノミクスに対する失望ムードが高まっており、日本経済は御先真っ暗という意見が多く上がっている。人民日報が伝えた。
日本経済の回復は2013年に急速にピークを迎えた。第1−4四半期の前年同期比の成長率は、4.1%、3.6%、1.1%、1.0%で推移した。特に第4四半期は市場予想の2.8%を大幅に下回り、安倍首相の就任以来で最低の成長率となった。市場予想との差は18カ月ぶりの数値に達し、人々から疑問の声が上がった。
アベノミクスが苦境に陥った原因は、刺激策の不発、構造改革の遅れだ。
健康だが鈍感な体に対して刺激は効果的だが、日本はこの状況にない。国内を見ると、日本の産業環境が悪化している。生産効率が低下し、消費が低迷し、貯蓄が減少し、企業の投資意欲が低下し、製造業が海外シフトを続けている。国外を見ると、日本の伝統的な市場は各国からの圧力と制約を受けている。世界生産において、ローエンド・ミドルエンド市場はすでに新興国に占められており、ハイエンド市場は米国・EU・韓国から圧力を受けている。生産ラインの多くが海外にシフトされたため、日本の高級製品、特に重要設備・部品の輸出は、中国などの製造大国の需要による制約を受ける。
これは日本の「病」に体質および構造の問題、つまり競争力の問題があることを示しており、刺激策によって解決できるものではない。
日本経済が回復軌道に乗るためには改革と革新が必要だ。安倍首相の3本目の矢は、女性就業支援、特別区の設立、電子商取引の支援といった措置により症状の原因に命中したが、「ドリルのように既得権益者の殻を破り、日本の経済成長の障害を取り除く」という目標には、この1年余りの間に何の進展もない。力強い改革措置のほぼすべてが、例外なく国内の圧力により頓挫した。しかも、日本は経済改革の強い意志を持たない。
全体的に見て、1年余りに渡り実施されてきたアベノミクスは、基盤強化の効果を発揮しておらず、急場しのぎの策に全力を注いでおり、経済リスクが蓄積され続けている。日本の「国の借金」は2013年末時点で1000兆円を超え、国内総生産の240%に近づいている。これはギリシャの債務危機発生時の水準の2倍に達する。日本の昨年の経常収支は3年連続で最低記録を更新し、第4四半期には初めて赤字を計上した。安倍政権は今年4月より消費税率を3%引き上げ、内需をさらに落ち込ませることになる。
安倍内閣は刺激策を最後まで進める姿勢を示しているが、これを継続することは不可能だ。日本経済の成長が止まれば、投資家は安倍首相の債務問題解決に自信を失い、債務危機を引き起こすだろう。これは世界の経済回復の重大なリスクとなる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月14日
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