日本政府が発表した最新のデータによると、昨年11月、日本の経常収支には5928億に上る巨額の赤字が出現し、過去30年間で最大だという。「経済日報」が伝えた。
経常収支は主に貿易収支と所得収支を含むものだ。日本の貿易収支は17カ月連続赤字で、赤字が拡大しているが、昨年9月までは所得収支の黒字が貿易収支の赤字を補填し、帳簿上は経常収支は黒字を維持していた。だが昨年10月以降、貿易収支における赤字が大幅に増加し、昨年11月には1兆2929億円に達して、所得収支の黒字で補える範囲をはるかに超えてしまった。こうして経常収支は2カ月連続の赤字に転換し、赤字幅が拡大を続けた。日本の甘利明経済再生担当相は懸念を表明し、貿易立国の原点が若干揺らいでいること、思ったほどスピーディーに輸出が拡大していないことを深刻に受け止め、根本原因の解消に取り組まないといけないと述べた。
日本はこれまでずっと「貿易立国」の構想に基づく発展戦略を採用し、技術開発と加工・製造業の輸出拡大を通じて、巨額の外貨を稼ぎ、日本を国際的に資金の豊富な国にしようとしてきた。こうして日本は自身の資金力をよりどころとして「経済外交」を展開することができ、開発援助や円借款によって影響力を拡大することもできた。だが経常収支が赤字になると、日本の戦略は根本から揺さぶられ、資金の豊富な国から資金不足の国へと転落する可能性も出てきた。たとえば毎月6千億円(約60億ドル)近い資金が海外に流出すれば、年間約7兆円から8兆円の流出となり、こうした事態が続けば、日本国内に資金不足の問題が出現するのは避けられないことだ。
かつて日本には単月の経常収支が赤字になるという情況が出現したことがあるが、巨額の海外資産を保有し、資金が十分に回流してくることから、黒字への転換はすぐだった。だが現在の日本政府は目下の事態を深刻に受け止めている。経常収支の赤字が2カ月続いており、勢いが拡大しているからだ。さらに深刻なのは、赤字をもたらした原因が構造的な問題であることだ。まず原子力発電所がほぼ運転を停止していることから、日本は火力発電量の液化天然ガスと原油を大量に輸入せざると得なくなっている。ある統計によれば、昨年11月の貿易赤字のうち30%はエネルギー輸入の増加によるものだったという。次に円安が続いているため、円建ての国際収支は赤字の拡大を免れない。さらに日本は長期にわたり海外に生産拠点を移しており、海外にある企業の製造した製品が日本で大量に売られることになり、輸入が急増している。このような構造的な問題を短期間で解決することは難しく、経常収支の黒字への再転換の期待は望み薄だ。
日本の経常収支が長期の赤字になり日本が資金不足の国になるとすれば、日本国内の機関投資家は日本国債を購入する力が大いに弱まり、国債の金利は上昇し、価格は低下することになり、日本政府は赤字国債を発行して財政をまかなうというやり方を続けられなくなり、国債暴落の危機が発生する可能性もある。これと同時に、資金が不足すれば日本はこれから円借款によって国際的な影響力を拡大することができなくなる。また資金が長期にわたって流出すれば、日本国内の投資と消費を低下させ、日本の持続可能な発展に根本的な影響を与えることになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年1月22日 |