2008年の世界金融危機以降、日経平均株価が1万5000円を突破できず、経済復興が進まなかった。
安倍首相はこの1年間に渡り、株価指数に対して不満と不信任を表明してきた。特に安倍首相が経済成長を促す戦略を発表しても、市場はこれに積極的な反応を示さず、株価が上がるどころか下落した。日経平均株価が11月15日に1万5000円を突破すると、安倍首相は満足を示した。そして、日経平均株価は12月10日に、年初より53%上昇の1万5621円をつけた。多くの証券アナリストは、日本の株式市場が正常化しつつあると判断した。
株式市場の回復は安倍首相を喜ばせ、その政権の基盤を固めたが、真の試練は今後待ち受けている。麻生太郎氏は安倍首相に対して、「重要なのは産業だ。日本の製造業を振興できれば、経済が初めて真の活力を得る」と指摘した。
国内の消費には明らかな増加が見られない。高齢化が市場の低迷をもたらし、企業は日本国内での投資に消極的になっている。円安後、輸出可能な製品が増えておらず、輸出増を実現していない。
安倍首相が真っ先に思いついた突破口は、原発の輸出だ。ある日本原発企業の専門家は、中国経済週刊に対して、「原子炉を1基輸出できれば、1000億円の収入をもたらす。また数十年内の修理・メンテナンス・稼働業務も確保できる」と語った。
日本はすでにトルコ、ベトナム、リトアニア、英国、米国と、原発の建設・メンテナンスなどに関するプロジェクトについて交渉をほぼ完了している。安倍首相はまた、ポーランド、ハンガリー、チェコ、フィンランド、サウジアラビアを、日本の原発輸出国にしようとしている。
2011年3月に発生した福島原発事故について、安倍首相は多くを語ろうとしていない。4号機はすでに今年11月の時点で廃炉が決定された。国内の原子炉に関して具体的な解決策を見出だせない中、原発技術の輸出とPRを急ぐ安倍首相は、深刻な政治リスクに直面するだろう。
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