著名な経済学者・林毅夫氏は24日、陝西省西安市で行われた対話イベント「シルクロードの新たな起点をうち立てる--北京大学国家発展研究院西部発展ハイレベル対話」に出席した際、「30数年に及ぶ高度成長を経てなお、中国経済は高度成長の潜在力を有しており、低所得の経済体から中所得の経済体へ、さらに高所得の経済体へという転換を達成することは十分に可能だ」と述べた。新華網が伝えた。
林氏によると、1978年に改革開放がスタートしてからこれまでの間、中国経済は年平均9.8%の高度成長を維持しており、これは人類の経済史上、かつてない奇跡だといえる。2010年以降は国内総生産(GDP)の増加率が低下を続けているが、その主な原因は外部の周期的な要因にある。同じ時期のブラジルやインドといった新興市場国の低下率はより深刻だ。
また林氏によると、中国に引き続き高度成長を遂げる力があるかどうかを判断する場合、最も重要なことは先進国との技術的な開きがどれくらいあるか、また後発組としての優位点がどれくらいあるかをみることだ。国民一人当たりの平均GDPはその国の労働力の平均レベルを反映し、また全体的な技術レベルと産業レベルも反映するという。
関連のデータによると、中国の08年の平均GDPは米国の21%で、日本は1951年、シンガポールは67年、台湾地区は75年、韓国は77年にこの水準に達した。この水準に達してからの20年間、日本は年平均9.2%の成長率を達成し、シンガポールは同8.6%、台湾地区は同8.3%、韓国は同7.6%だった。
林氏は次のように判断する。米国との開きに含まれる後発組としての優位点により、日本をはじめとする東アジアの経済体は年平均7.6-9.2%のGDP増加率を達成できた。後発組の優位点がもつ潜在力を考えると、中国経済は08年以降、さらに20年間に及ぶ高度成長期を迎えるという。
林氏は、「中国共産党第18期中央委員会第3回会議(三中全会)で資源の配置について市場が決定的な役割を果たすことが強調された。これは市場への干渉や市場の歪曲が取り除かれていないこと、経済がこれから優位点に基づいてよりよく発展していけることを物語るものだ。中国は20年までに、第二次世界大戦以降に低所得国から中所得国への転換を果たし、さらには高所得国への転換を達成した世界で3番目の経済体になる可能性がある」と話す。
この対話イベントは北京大学国家発展研究院、陝西省党委員会宣伝部、陝西省発展改革委員会が主催したもので、陝西日報伝媒集団などが共催した。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年11月25日 |