しかし業界を最も騒がせたのは、明治乳業の先月の発表だ。中国大陸の粉ミルク市場の競争激化、および原材料コストの高騰により、粉ミルク「CHERISH」の販売一時停止を宣言したのだ。
明治乳業のこの一連の手法は、あまりにも「ドラマチック」すぎる。王氏は17日、このような疑問に対して、「明治は当時突然の撤退を選択したが、これにはいくつかの原因が存在する可能性がある。大陸市場での業績は欧州・米国の外資系ブランドに及ばず、市場シェアも近年大幅に低下していた。撤退の表明から間もなく市場回帰を高々と宣言したのは、撤退の情報が伝わり各方面から予想外の圧力を受け、社内の戦略決定に直ちに逆転が生じたからかもしれない」と分析した。
◆競合他社、慌ただしく空席確保か
明治乳業が撤退と回帰を発表したこの短い期間内に、慌ただしく「空席の確保」を進める競合他社の動きがあった。アサヒグループは、完全子会社の粉ミルク企業・和光堂が康師傅と、乳幼児用粉ミルクの輸入販売会社を上海で共同設立することで合意に達しており、さらに現地生産を進める可能性もあると発表した。同合弁会社は今月設立される予定で、2014年初に経営を開始する。和光堂は日本で初めて乳幼児用粉ミルク・ベビーフードを開発した企業で、日本3位の粉ミルクブランドとなっている。
康師傅も上述した提携について認め、かつ粉ミルクはオランダ産の100%輸入商品だと説明した。双方の提携は、康師傅の食品産業のバリエーションを豊富化し、中国大陸のベビーフード市場への進出を実現させる。
康師傅は明治乳業の撤退に伴う「空席確保」について、「当社と和光堂の提携は、中国大陸ベビーフード市場の潜在力のさらなる模索を着眼点としており、明治乳業の撤退による空席を埋める動きではない」と否定した。また両者には大きな時間差があり、発表時期の「偶然」は存在しない。
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