上海市政府発展研究センター戦略研究所「潘英麗工作室」の主任専門家・潘英麗さんは12日、上海交通大学高級金融学院が主催した「自由貿易区と上海国際金融センター建設の特定テーマシンポジウム」に参加し、中国(上海)自由貿易試験区は中国が金融強国になる上での突破口になるとの見方を示した。中国新聞社が伝えた。
上海先物・金融派生商品研究院の鮑建平副院長がシンポで述べたところによると、上海国際エネルギー取引センターが同試験区で登録を済ませており、同センターの設立は中国の原油の価格決定をめぐる国際的な発言権を強める上でプラスになるという。
潘さんによると、人民元の国際化であれ、上海国際金融センターの建設であれ、最終的な目的は中国を金融強国にすることであり、「われわれは『金融強国に向けた国家戦略をどのように実施するか』という大きな目標に向かって上海自由貿易試験区の金融テスト事業を計画した」という。
また潘さんによると、同試験区は4つの重要分野において上海国際金融センター建設を推進しているという。(1)中国の資本輸出のサービスプラットフォームを建設する(2)人民元建ての金融市場システムを継続的に育成する(3)金融分野に独立した立法・司法・行政システムを構築する(4)金融リスクの予防や監督・コントロールを行う、の4分野だ。
同学院の厳弘副院長もシンポで、同試験区内での金融イノベーションをめぐるリスクの問題に注目すべきとの見方を示した。厳副院長によると、同試験区内での金融リスクをどのようにコントロールするかは、監督・コントロールの主体の調整とリスクのモニタリングにとって大きな課題だ。同試験区内の市場主体自身のリスク評価もあれば、そのリスクが大陸部の他の市場に与える影響やダメージもあり、いずれも監督管理部門が検討しなくてはならないという。
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