アジア開発銀行(ADB)は2日にタイ・バンコクで報告書「2013年アジア発展見通し」の修正版を発表した。同報告の予測によると、アジアの発展途上国・地域の経済成長率は2012年の6.1%から今年は6.0%に低下するが、14年は6.2%に回復する見込みという。
ADBによると、中国経済は今、輸出に依存し投資が牽引するこれまでの成長モデルから脱却しつつあり、経済の持続可能な成長をより重視するようになっている。今年の経済成長率は7.6%に達する見込みだ。ゆるやかな成長ぶりから、中国経済がより健全でより持続可能に変化していくことが予想される。
ADBのシニアエコノミストのラックスマン氏によると、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)にとって最大の貿易相手国だ。中国はASEAN諸国から半製品を大量に輸入し、加工した後に世界の主要経済体に再輸出している。中国とASEAN諸国は相互補完性が高く、互恵・ウィンウィンの典型といえるという。シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行の全徳健経済アナリストは、欧米の先進国の経済復興ペースは遅く、輸入ニーズが低下しており、外部環境の変化が中国に経済成長モデルの転換を促す原因の一つであるとの見方を示す。
米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を縮小するとの見通しが、アジア経済に不安定な要因をもたらし、徳にインドとインドネシアの両国が大きな打撃を受けている。ADBによると、1997年のアジア金融危機が再演されることはない。アジア各国のリスク対応力は著しく強化されており、多くの国が経常収支を黒字に保ち、外貨を大量に保有する。アジア諸国はアジア金融危機の教訓をくみ取り、マクロ経済管理、金融管理、企業統治(コーポレートガバナンス)を強化しているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年10月3日
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