都市化は長期的な内需拡大に大きな潜在力を提供する。今後10数年に渡り、中国の1億人以上の人口が都市部に溶け込む。これは極めて複雑な経済・社会変化の過程であり、新たな共同発展政策が必要だ。さまざまな困難があるが、これは中国の都市部と農村部の格差を縮小するため、避けては通れない道だ。
サービス業は新たな支柱だ。最大の雇用受入先であるサービス業は、経済のグレードアップの圧力を緩和する。政府は大々的に、公共サービスの改善に取り組む。中国は今年、多くの零細企業(そのうちの多くはサービス業)に対する、増値税と営業税の課税を一時的に免除した。
中国政府は経済運営の合理的な範囲の「上限」と「下限」を明確にし、過度な変動を防止している。「下限」を明確にしたのは、安定成長と雇用維持のためである。GDPはかつての二桁成長から、2011年の9.3%、2012年の7.7%に下がっている。今年はさらに約7.5%に安定的に移り変わるが、これは経済法則のすう勢であり、主導的な調整・抑制による結果でもある。「上限」を明確にしたのはインフレ防止のためで、今年のCPI上昇率は約3.5%となる。経済運行をこの合理的な範囲内に維持し、金融リスクを着実に防止し、市場と社会に安定的な景況感をもたらす。
今年より、中国経済の運行は「穏中有進」(安定の中で成長する)となり、上半期のGDP成長率(前年同期比)は7.6%となった。5%の失業率(調査ベース)と2.4%の物価上昇率は、いずれも合理的でコントロール可能な範囲に収まっている。
世界経済には依然として、不確定要素が存在している。一部の先進国が量的緩和策を終了するという予想は、大量の資金を先進国市場に回流させ、アジア各国の株式市場・為替市場の大幅な変動を触発しており、一部の観測筋はアジア通貨危機が再演されることを懸念しているほどだ。私は、アジア各国はかつての経験の中から教訓を汲み取り、リスク防止の能力を大幅に引き上げたと認識している。為替相場形成メカニズムがよりフレキシブルになり、外貨準備高が普遍的に拡大されており、通貨両替に関するチェンマイ・イニシアティブやさまざまな二国間金融計画は、複雑な局面への対応により良い条件を提供した。中国はこれについて、自信を持っている。
中国は依然として発展途上国であり、自国の多くの任務と課題を抱えている。中国の国力の強化に伴い、中国は国際事務においてより多くの、自国の条件に合致する責任と義務を果たし、各国と共同で世界の平和・発展事業を促進することになる。私は世界経済が低迷から脱却し、再び繁栄することに期待している。中国経済のグレードアップ版も、世界経済に新たな原動力を提供するだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月9日 |