6月に生じた流動性の逼迫を経て、市場は下半期のマネーサプライと金融政策を注視している。中国人民銀行の周小川総裁はこのほど「中国経済は持続的な減速には陥らない。下半期も穏健な金融政策を継続すると同時に、もし必要があれば構造的微調整をいくつか行なう」と表明。「中期的に見て、全体的な流動性は豊富だ」と述べた。人民日報海外版が伝えた。
■1-7月のマネーサプライは引き締め
中国の金融政策は穏健を基調に緩和または引き締めの調整を行なってきた。曁南大学国際商学院の孫華�康副院長は「長年来、中国人民銀行は穏健な金融政策の下で多くが緩和政策だった。マネーサプライの伸びがGDP成長率とインフレ率の和を上回ってきたため、これは確実に緩和に属する。過去20-30年間、経済は緩和の中で運営されることに慣れてきた」と指摘した。
今年に入り、金融政策の引き締めが始まった。年初策定の広義マネーサプライ(M2)年間増加目標は第11次五カ年計画(2006-2010年)以来最低の13%だった。「あらかじめこのメッセージを発したことは、経済の安定、経済の過熱防止、資産バブルの再発防止にプラスであり、慎重な目標だ」。中国社会科学院の余永定学部委員は、適度の引き締めを試みる中央銀行の意向の反映と指摘した。
だが実際には今年1-7月のM2の増加速度は、当初の目標を上回った。中国人民銀行のまとめではM2増加率は1月が15.9%、2月が15.2%、3月が15.7%、4月が16.1%、5月が15.8%、6月が14.0%、7月が14.5%だった。これを基に、今年1�・7月のマネーサプライは緩和だったと判断できるのだろうか?孫氏は「全体的に見て、依然引き締めだった」と指摘。「中国のM2増加率は17%を超えるのが普通だったが、現在は15%前後にまで下がっている。当初の目標を上回ったものの、従来と比べ引き締めというのが一般の感覚だ。特に6月の際、中国人民銀行は過度の緩和を避けるため戦略を転換し、適度の引き締めというシグナルを発した」と分析した。
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