中国経済のモデルチェンジは5から8年の最も厳しい時期を耐え、国際市場の需要縮小、自国経済のコスト上昇、国際摩擦や競争の激化、経済の不安定性や不確定要素によるリスク拡大などの突出した問題に直面すると見られる。この困難なモデルチェンジの時期を乗り越えることができれば、中国の経済発展は新たな黄金の30年間を迎えることができる。一人当たりのGDPが3000米ドルに達した段階で、急激な発展によって累積した矛盾が集中的に爆発し、体制とシステムの改善が限界に達し経済が停滞してしまう、いわゆる「中所得国の罠」を克服する新たな体制とメカニズムを構築できるかどうかが重要な問題となる。
中国は経済のモデルチェンジ・グレードアップにあたって、以下に挙げるような有利な条件を備えている。新型の都市化、とりわけ長江デルタや珠江デルタ、環渤海地区、長江中流域、成渝(成都重慶)地区などの都市群の発展。新型の工業化、とりわけイノベーションが牽引する現代的サービス業、先進製造業、現代的農業の発展。経済のグローバル化、とりわけグローバル的な投資・製造・販売・サービスなどグローバル化した生産システムの構築。上述したものはいずれも需要と消費のグレードアップを推進するとともに、供給構造の転換を導くことができる。企業関係者に関して言えば、事業の推進を堅持し、イノベーションを積極的に行う必要があり、世界市場における優良な資源の配分、より公平かつ規範化された環境、より厳しく市場秩序の遵守が求められる環境において、企業は高い基準の国際ルールに適応することが求められる。これは、中国の今後30年の経済成長の行方を左右する重要な要素である。
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