日本で21日に行われた参議院議員選挙では、安倍晋三首相が率いる与党連合が勝利し、衆議院とともに過半数を獲得した。ある分析によると、この選挙結果を受けて安倍氏は長期的な構造改革をかなり自由に推進できるようになり、日本経済の成長エネルギーを喚起するのにプラスになるとみられる。また日本円の対米ドルレートを一層弱める可能性があるという。「経済参考報」が伝えた。
財政政策と金融政策は安倍政権がうち出す経済政策「アベノミクス」の2本の矢とされる。アベノミクスを実施してから、日本経済は上昇傾向が後押しされ、ドルに対し大幅な円安となった一方、日本の株式市場は大幅に上昇した。だが5月末以降、日本の経済成長の勢いが止まると、円安傾向も止まった。円レートは再び急速に上昇し、株式市場は下降線をたどり、下げ幅は2000ポイントを超えた。
ある分析によると、安倍首相はがこのたびの選挙に勝利したことは、アベノミクスの3本目の矢を放つ機会を得たことを意味する。すなわち、民間投資を喚起する成長戦略という長期的な構造改革の矢だ。これと同時に、安倍首相はより積極的な通貨緩和政策を採って経済成長を喚起し、デフレに対処する可能性がある。こうした要因に米連邦準備制度理事会(FRB)が債権購入計画を縮小するかもしれないという要因が加わり、円の対ドルレートは再び低下局面に入る可能性があるという。
安倍首相が再三表明するように、経済発展が施政の重点だ。国民は経済政策の恩恵を受けたいと思い、政府は経済の良好な循環を早急に実現したいと考える。雇用状況の改善、給与の上昇、個人消費の促進、企業投資の促進が待たれている。
ドルの対円レートは先週1.1%とわずかに上昇した。19日にはドルの主要通貨に対するレートが低下し、米国のニューヨーク外国為替市場の終了時には1ドル=100.24円になった。今年に入り、ドルの対円レートはすでに約15%上昇している。ある市場関係者によると、円がこれ以上ドルに対して弱くなれば、ポジションは1ドル=101.5円になる可能性があり、中期的には110円まで下がる可能性があるという。
別の分析では次のように注意を促す。アベノミクスの資産効果は欧米経済、金融情勢、政策の方向性などの影響を強く受けるもので、欧米の資金が日本の為替市場や株式市場で演じる役割に警戒しなければならない。これと同時に、日本の超緩和政策がもたらす可能性のある財政の持続性や国債の利回り上昇などをめぐるリスクにも警戒が必要だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月24日 |