本誌記者 繆暁陽
中国植物栄養・肥料学会の白由路理事長
「現在、中国において有機肥料は主に環境美化と土壌改良という役割を果たしている」。中国植物栄養・肥料学会理事長で、中国農業科学院農業資源・農業区画研究所研究員の白由路氏はこう述べた。
7月8日、「美しき中国・グリーン淅川」対外宣伝活動及び「中国の環境と有機農業」フォーラムが北京の人民大会堂で行われた。フォーラムに参加した学者、企業家の代表らが「美しき中国」建設と有機農業発展の新構想について討議した。施肥と環境の問題について、本誌記者は白由路氏にインタビューした。
有機肥料の新たな役割
白由路氏は取材を受けた際、次のように述べた。「中国は農業大国であり、数千年来有機肥料を使用してきた伝統を持っている。合成化学工業の発展に従い、農作物への養分供給という機能がだんだん化学肥料に取って代わられてきたが、生態系建設が提唱されている今、有機肥料に新たな使命が与えられている。その意義は依然として極めて重要だ」。
白氏によると、有機肥料の使用を推進する上で最も重要な任務は、農業廃棄物の処理と環境美化にあるという。中国では毎年50億トン前後の有機廃棄物が出る。これらの有機廃棄物をゴミにして処理すれば、多くの労働力と物資を無駄にし、社会的なコストが増加するだけでなく、資源の利用にも役立たない。これについて白氏は、「有機廃棄物を有機肥料にするのが最も理想的な処理方法だ」とする。
白氏はさらにこう続ける。「有機肥料は土壌を改良し、植物の成長に必要な養分を供給する。カリウムを例にすれば、中国では毎年、穀物収穫後の茎が約7億トン出るが、それには1800万トンの酸化カリウムが含まれている。これは我が国にとって重要なカリウム再利用源だ。穀物収穫後の茎を畑に戻す技術を通じて、環境をきれいにするだけでなく、貴重なカリウムの代替資源にすることもできる」。
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