製造業のデータから明らかなように、ユーロ圏の経済的苦境は今、底を打って反転上昇しつつあるところだが、短期的には力強い復興ぶりをみせることは難しいと考えられる。
▽英国 過去2年で最も順調
マークイットが発表したデータによると、ユーロに加盟しない主要国である英国の製造業は、国内外からの注文が増加したため、6月は3カ月連続の上昇となり、PMIは52.5%で、過去25カ月間で最も好調な数字となった。5月の51.5%を上回り、ロイター社が調査した経済学者による予測値も上回った。マークイットによると、今年第2四半期(4-6月)には0.5%の伸びを示したという。
製造業の上昇傾向と過去数カ月の英国経済の加速的な勢いとはぴったり符合する。このため英国の中央銀行が今週中に再びさらなる量的緩和措置を打ち出す可能性はほとんどないといえる。
▽日本 製造業の信頼感が目立って改善
日本銀行(中央銀行)が1日に発表した6月の短観(全国短期経済観測調査)によると、6月には製造業・大企業の業況判断指数(DI)がプラス4となり、3月の前回調査時のマイナス8から12ポイント上昇したとともに、11年9月以来初めてプラスになった。1年9カ月ぶりのプラスであり、製造業企業や大企業が通貨緩和政策による円安、輸出情勢の好転といったプラス要因に後押しされて、ビジネスへの信頼感を高めていることがわかる。
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