日本が猛烈な勢いで進めている経済政策「アベノミクス」は、諸々の現象から明らかなように、株式市場の崩壊を前にした最後のつまずきになる可能性がある。安倍晋三首相は5日、市場で「第3の矢」といわれる成長戦略を発表したが、市場はこれを評価せず、日経平均株価は一日で3.83%も暴落し、アジア・太平洋地域の株式市場に再び弱気ムードが漂った。「北京晨報」が伝えた。
▽安倍首相が放つ「第3の矢」
安倍首相は5日の昼頃、市場に「第3の矢」といわれる新しい経済再生計画をうち出した。主な内容は民間投資の喚起だ。これまでに放った2本の矢は、大胆な金融政策と機動的な財政政策だった。
このたびうち出した新たな矢の主な内容には、「国家戦略特区」を建設して海外からの投資を呼び込むこと、原子力発電所の再稼働を計画すること、資本支出や研究開発をめぐる税負担を軽減すること、自由貿易協定のカバー率を高めること、業界の整備を進めることなど10項目の措置が含まれる。こうした政策的支援の下で、安倍政権は今後10年で国内総生産(GDP)の実質成長率を2%、名目成長率を3%引き上げるとしており、また今後10年で一人あたり平均所得を今より150万円増やすとしている。
▽株式市場は「退却で意思表示」
日本政府は新たな経済喚起政策をうち出して人々の心に訴えようとしたが、市場はより大きな構造的な改革を期待しており、アベノミクスが放った3本目の矢は的に当たらなかった。あるアナリストによると、最新の経済喚起政策は「投資家に喜びをもたらさない」もので、投資家は相次いで手元にあるリスク資産の売却に踏み切った。