中国人民銀行(中央銀行)の陳雨露・金融政策委員(中国人民大学学長)は25日、中国人民大学重陽金融研究院で「中心的国家へ--中国の『大金融』戦略と発展の道」と題する研究報告書を発表した。陳氏は報告書の中で「人民元は30年以内に米ドルに取って代わり、最も重要な国際準備通貨となるだろう」と指摘した。京華時報が伝えた。
陳氏の主張する内容は次の通り。
英ポンドと米ドルは世界の主要準備通貨になるまでに、それぞれ55年、50年を要した。人民元の国際化も長期的なプロセスであり、最終的には2040年に最も重要な国際準備通貨となるだろう。
人民元が最も重要な国際準備通貨になるには3つの10年が必要だ。すなわち、初めの10年間は近隣諸国及び地域における人民元の使用、次の10年間はアジア全体での使用を拡大し、最後の10年で国際化を実現、世界的な重要通貨となる。
世界各国の経験や国内の状況、金利市場化改革の日程を総合的に考慮すると、中国の資本勘定の自由化は2015年から2020年にかけて完了する。つまり、金利市場化は2017年ごろまでに完了するだろう。
もし、正規のルートで実体経済の需要を全て満たすことができれば、シャドーバンキング(影の銀行)は出現しないだろう。より効果的に実体経済に資するためには、金融市場化改革を推進し、資源配置をより正確かつ敏感に行う必要がある。この点から見れば、シャドーバンキングはより資金需要に即していると言える。ゆえに、シャドーバンキングを単純に取り締まるのではなく、監督管理の範囲に組み込むことで、多層的な金融体系が構築できる。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年5月27日 |