日本の安倍晋三氏は首相に就任して以来、「アベノミクス」と呼ばれる経済政策をうち出し、経済方面でいくつかの大きな取り組みを行うとし、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を「3本の矢」と表現した。1本目の矢に当たる量的金融緩和という手段は限界に近いレベルで運用されており、2本目の矢に当たる財政政策は補正予算の拡大や被災地の復興資金の増額を通じて行われており、毎年の財政支出の半分以上を国債の発行でまかなう日本には、もうほとんど余地は残されていない。今最も重要なのは、3本目の矢にあたる成長戦略だといえる。「経済参考報」が伝えた。
日本政府の経済成長戦略の研究に責任を負う産業競争力会議が今年4月末に提出した対策には、医療分野などでの新産業の育成、女性が活躍する社会の実現、特区建設を中心とした企業を拘束する各種規定の緩和などが含まれる。
同対策の内容をながめると、次の3つの特徴があることがわかる。
第一に内容が貧弱だ。最も具体的な対策は日本版「国立衛生研究所」(NIH))の創設で、現在は文部科学省が管理する基礎研究、厚生労働省が管理する臨床研究、経済産業省が管理する産業育成という具合に分散しているものを内閣官房が設立した国立衛生研究所に集中させるという。狙いは誘導多能性幹細胞(iPS細胞)の研究成果の実用化を加速させることにある。このプランは目新しいものだが、実現には大きな困難がつきまとう。
第二に新味に乏しい。同会議は関連規定を緩和し、東京、大阪、名古屋の三大都市圏に国家戦略特区を建設し、「世界一ビジネスがしやすい環境」にするとしている。これは民主党政権が2010年6月に制定した「新経済成長戦略」を踏襲したものに過ぎない。
|