中央電視台がこのほど発表した統計データによると、今年第1四半期(1-3月)には北京市のシングルスイートタイプの物件の平均賃貸価格は3660元となり、2008年に比べて82%上昇した。北京市統計局がまとめたデータでは、同市の今年3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.6%上昇し、全国平均上昇率の2.1%を上回った。主な原因として不動産賃貸価格が同8.4%上昇したことが挙げられる。「新京報」が伝えた。
過去10数年にわたり、中国の不動産購入価格の上昇率は賃貸価格の上昇率を大幅に上回り、賃貸の利回りは先進国の水準を大きく下回って、一線都市や二線都市でも2-3%にとどまることが多かった。この程度の利回りであれば、銀行の定期預金に預けた方が金利が高い。不動産投資家の主な収益源は不動産価格上昇による収益であり、賃貸料からの収益ではなかった。
一般的に言って、不動産価格は資産価格に属し、資産価格の変動は大きく、不動産価格の上昇幅が合理的な水準やバランスの取れた水準を上回れば、たちどころにバブルが発生する。一方、不動産賃貸価格が反映するものは、その物件の使用時の機能であり、不動産価格上昇のために投機的行為をする人はいるが、賃貸価格上昇のために投機的に物件をいくつか入手する人は極めてまれだ。よって賃貸価格の上昇は、基本的には北京市の不動産ニーズが旺盛であることを示すもので、バブルとは何の関係もない。
普段と違う点は、最近の北京市の賃貸価格上昇の勢いが、不動産価格上昇の勢いに引けを取らないということだ。たとえば、国家統計局の調査によると、今年3月には北京市の新築居住用物件の価格が前年同月比2.9%上昇し、賃貸価格の上昇率8.4%を明らかに下回った。北京の不動産賃貸はどうなってしまったのだろうか。おおまかにいって、次のような原因を挙げることができる。
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