中国は世界最大のレアアース輸出大国であり、長年来一部地方で略奪的開発が環境汚染問題を引き起してきた。最近日本は周辺海域で大量のレアアースを発見したと発表した。専門家は、これはむしろ中国レアアース業界に再編のチャンスをもたらすと指摘する。中国広播網が伝えた。
「工業のビタミン」と呼ばれるレアアースは17種類の希少金属元素の総称。大は航空・ミサイル、小はパソコン・チップまで広範に使用される。日本メディアによると、日本はレアアースを含有する海泥を発見した。埋蔵量は中国の10倍以上で、日本の消費量の数百年分に達するという。
現在、中国は世界のレアアース埋蔵量の3分の1を擁し、供給の90%以上を担っている。厦門(アモイ)大学エネルギー経済研究センターの林伯強主任は「情報が確実であってもそうでなくても、日本の発見した資源がもたらすインパクトは限定的だ。むしろ、中国におけるレアアースの割当管理実施の必要性に合致している。ある産品が国際市場で有効な供給ができない場合、割当は必須であり、他の国々もそうしている」と述べた。
江西理工大学の陳金清教授は「海洋での採掘コストが高すぎることを考えると、日本の発見した資源が短期的に市場への供給に影響を与えることはない。中国のレアアース業界にとって喫緊の課題は産業チェーンのハイエンド化に向けて突き進むことだ。現在レアアース産業の主要な核心、知的財産権は欧米諸国の手中に握られている。例えば磁性材料、発光材料などだ」と指摘した。
中国南部と北部の主要レアアース生産地区である包頭とカン州で、レアアース産業生産額の3分の2を占めている。林氏は「レアアース業界の再編を加速し、真の意味のレアアース大グループを形成することが、将来の発展の方向性だ。環境の敷居を高め、資源税を課すことを含め、市場に自然淘汰をもたらし、最終的に効率的で大規模な競争力あるレアアース企業数社に統合し、国際価格設定に影響を与えられるようにする」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年4月8日 |