トヨタ自動車は3月6日に本社役員の人事異動を行い、3人の副社長と張富士夫会長が退任し、内山田竹志副会長が会長に昇進した。中国青年報が伝えた。
トヨタ本社の人事異動の影響は、中国にも波及した。トヨタ中国法人は翌日、4月1日より中国事業の役員の調整を行うとした。大西弘致中国本部長が北田真治氏に代わり、中国総経理に就任する。合弁会社・広汽トヨタの総経理は、小林一弘常務役員が小椋邦彦氏から引き継ぐ。一汽トヨタの柴川早人総経理は、常務役員に昇進する。
一汽トヨタの総経理が「昇進・増給」となったが、他2名の総経理は退任となった。この人事異動は、何を示すものなのだろうか。豊田章男社長は日本メディアの取材に応じた際に、「過去4年間はさまざまな試練が満ちていた。トヨタは将来に目を向けるべき時が来た」と述べた。
その「将来」のカギとなるのが、中国市場だ。豊田章男社長は「中国市場が最も重要」と表明し十分な誠意を示したが、現在の状態を見る限り、トヨタの中国市場に対する調整はまだ大きく遅れている。
業界内では、「日産やその他の日本自動車メーカーの、中国市場における発展を阻むのは、不確定な政治要因でなければ、単純な商品力・販売力でもなく、いまだ表面にとどまっている本土化戦略だ」と指摘する声があがっている。
ゼネラル・モーターズとフォルクスワーゲンの、中国における「全バリュー・チェーンの本土化」は、すでに成功を収めている。日産と現代・起亜は長年の「慣らし運転」を経て、合弁会社の利益最大化を企業発展の最高基準とし、協力により大きな力を形成し、企業の高度成長を促している。
そのうち東風日産は、融合度が最も高い合弁自動車メーカーと公認されている。同社が定めた「基本法」は最大の開放度を実現し、尽きることのない活力を外に示し、社員一人ひとりの潜在力を十分に引き出した。トヨタも中国で研究開発センターの設立を開始しており、中国事業の役員に中国人を迎えているが、合弁会社の経営に関しては閉鎖的・保守的だ。
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