それでもまだ、大部分の人の郷里は一線都市、二線都市よりも住宅価格がずっと低い。3000-5000元/平方メートルとの回答が4割近くで、大多数は1万元以下だった。一線都市で苦労して働く多くの若者にとって、すぐに1万元を超える住宅は手が届かないのが実情だ。たとえ十分な頭金を蓄えても、重い経済的負担を背負い、住宅ローンの支払いにがんじがらめとなる。相対的に郷里の物件は十分手頃で、「超安値」のものすらある。一線都市でお金を稼ぎ、二線都市で住宅を買えば、自分の生活水準を保つことができるし、今後郷里で働き、両親の世話をする拠点にもなる。
一方、別の人々にとっては、経済的、文化的に発達した一線都市は依然魅力的だ。郷里で購入した住宅の価格が上昇すれば、資産を増やすことができる。彼らは一線都市では頭金にしかならない金で二線都市、三線都市で住宅を購入して人に貸し、その家賃収入を一線都市での自分の家賃に充てる。あるいは住宅価格の上昇を待って売りに出し、一線都市での住宅購入の資金を蓄える。
Uターン住宅購入は二線都市、三線都市の住宅価格をある程度押し上げた。鳳凰網のネット調査では、回答者の約12%が郷里の住宅価格はすでに1万元を超えたと答えた。不動産業界の大物、潘石屹氏の郷里である甘粛省天水市の住宅価格はすでに1万元を超え、一線都市、二線都市の平均価格に迫って、地元の人を苦しませている。
だがこうした状況でも、大都市に残る、または流入する人の方が多いのも事実だ。経済学者の辜勝阻氏は先日のインタビューで「中国は『大都市病』の集中発生期に入り、住民生活と都市の発展に対するマイナスの影響が日増しに顕在化している。大都市に働きに出る人の多くは良い居住環境を得られず、完全な社会保障も享受できず、生活の質は郷里に及ばない」と指摘した。
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