中国民間調査機関・胡潤研究院は2月28日、2013年版の「胡潤世界長者番付」を発表した。 胡潤長者番付の創設者の胡潤氏は、「胡潤長者番付は中国経済と共に成長し、中国経済および資産構造の変遷を見守ってきた」と語った。同番付の入選者の変化は、市場・社会の新興・凋落を反映する。胡潤研究院が今年初めて発表した世界長者番付の見どころを紹介していこう。国際商報が伝えた。
■中国の億万長者、9割が裸一貫から
今年の同番付の最大の見所は、中国の10億ドル級の長者数が米国を上回る212人(米国は211人)に達し、世界最多になったことだ。しかし全体の長者数を見ると、中国は1位の米国を60人下回る349位で2位となったが、3位のロシアの長者数の4倍弱に達した。
同番付は2013年、「富の出所」という項目を追加した。データによると、中国人長者の圧倒的多数が裸一貫で身代を築きあげており、「財産相続」を富の出所とする長者は1割未満となった。一方で、米国人長者の約4分の1は、財産相続により富を得ている。
2013年世界長者番付の上位10人のうち、ビル・ゲイツ氏が初めてトップ3から除外され、メキシコの通信王カルロス・スリム氏が再び首位となった。両氏はその資産総額により有名だが、彼らの貢献の内容は異なっている。
ビル・ゲイツ氏が開発したOSは、パソコンを一般家庭に普及させた。同氏はマイクロソフトの経営から身を引くと、慈善事業で異彩を放った。しかしメキシコは、世界一の長者が誕生したことによる利益を受けていない。スリム氏が保有する通信大手アメリカ・モービル(本社はメキシコ)は、メキシコの通信市場を独占している。経済協力開発機構(OECD)が発表した報告書によると、2005-2009年に、通信部門の競争力不足によりメキシコの国民経済が被った損失は、年平均でGDPの1.8%に達する。スリム氏は偶然にも2010年に、ビル・ゲイツ氏に代わり世界一の長者となった。
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