資産の質の大幅な改善、貸出規模の急拡大、安定した金利差などにより、中国銀行業の利益が近年、安定的に増加している。中国銀行業監督管理委員会の統計データによると、２００５―２０１１年の中国銀行業純利益の年間平均増加率は２６．８％に達し、２０１１年の中国銀行業の純利益は世界銀行業全体の３０％弱を占めた。間もなく発表される２０１２年度上場銀行１６行の純利益の増加率は低下すると見られるが、２０％を下回ることはなく、比較的高い成長率を維持する見通しだ。４日付中国証券報が伝えた。

しかしながら、中国銀行業の高利益の状況は今後、かつてない大きな課題に直面する可能性がある。伝統的な収益方式による業界全体の純利益高成長の時代がいよいよ終焉すると見られる。

（一）国際金融危機の発生後、政府は大規模な景気刺激策により経済を安定化させた。しかし中長期的に見ると、中国の安価で大量な労働力というメリットが消失し、資本形成のペースダウンの可能性が高まり続けており、経済成長率は低下の圧力に直面している。高度経済成長の環境に基づく銀行貸付が、大幅拡大を続ける可能性は低下している。そればかりではない。外貨買い入れに伴う人民元放出額の大幅な変動が常態化した新時代において、貸付の拡大の基盤がすでに影響を受けている。商業銀行は長年に渡り、貸付拡大により安定的な成長を維持してきたが、この方式を継続することは困難だろう。