▽欧州債務危機が視界から外れ「通貨戦争」がキーワードに
今年のフォーラムで設定された議題をみると、欧州債務危機の文字がほとんどみられなくなっている。昨年、欧州中央銀行は条件を満たせば債務危機に陥った国の国債を無制限に購入することを承諾した。この大規模な経済活性化プランを受けて、債務危機の国の国債利回りは目立って低下し、ユーロ資産の価値が上昇した。昨年末にギリシャが最新の支援資金の獲得に成功したことから、市場では欧州債務危機への懸念も一段落したとの見方が広がっている。
米国のウォール街の有名投資家ジョージ・ソロス氏の指摘によると、ユーロは瓦解せず、他の経済体がより緩やかな通貨政策をうち出すのにともなって、ユーロの金利が上昇する可能性が高い。欧州債務危機の根源にある問題は解決していないが、最も危ない時期はすでに過ぎたという。
欧州債務危機への心配がなくなると、これに代わって通貨政策の議論が始まった。
今回のダボス会議では、非常時の通貨政策をめぐって議論が繰り広げられている。2008年に国際金融危機が発生して以来、米連邦準備制度理事会(FRB)は4回にわたって量的金融緩和政策をうち出し、欧州中央銀行は昨年9月に無制限の国債購入プランをうち出し、日本銀行(中央銀行)もこのたび新たな通貨政策をうち出して、量的緩和政策はすでに当たり前のことになっている。政界や企業界のリーダーの一部は、こうした動きが通貨戦争を引き起こすのではないかと懸念を表明している。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年1月28日 |