今や、世界経済において中国が果たす役割を有望視することは一種の共通認識となっている。HSBCのグローバルリサーチ部門はこのほど発表した報告の中で、世界経済における中国の主導的役割は今年、ますます強まるとの見方を示した。一方で、国際社会では中国を「褒め殺し」にして世界経済の「けん引役」を任せようとする動きが強まっている。これに対し専門家は「中国経済の影響力を誇大評価する動きがあるが、これは中国により多くの責任を負わせるためだ。中国は発展途上国であり、経済を強大化させるにはまだ困難が残されている。国際社会は中国経済発展の現状を客観視するべきだ。でなければ中国経済の持続的発展にも、世界経済の発展にも不利である」との見方を示す。人民日報海外版が伝えた。
▽世界経済、今年も大きな回復は難しい
中国が世界経済で果たす役割の誇張は、世界経済の低迷が原因となっている。2012年は世界経済にとって、非常に苦しい1年だった。ユーロ圏の債務危機はますます悪化した。日本は膨大な借金を抱えているのみならず、長期的にデフレから抜け出せない。欧日に比べれば米国経済は回復の兆しが見られるが、失業率などの指標は好転していない。新興国も世界経済低迷の影響を免れることは不可能だ。
2013年の経済情勢について、多くの機関がやや好転すると予測しているが、大きく回復するのは難しそうだ。米プルデンシャル・ファイナンシャルはこのほど報告を発表し、2013年の世界経済について「ユーロ圏、英国、日本の経済は低迷するが、新興国と米国経済はやや回復し、2分化の様相を呈する」と予想した。
中国社会科学文献出版社の「2013年世界経済情勢の分析と予測」は2013年の世界経済について、「米国の財政の崖、長引く欧州債務危機、世界的な過剰流動性、保護貿易主義、地域安全保障など、多くの要素に注目すべき。世界経済は引き続き中低速成長となる」とした。
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