三つ目に、この度の危機は金融業の過剰成長による危機である。金融分野における問題が積み重なり、爆発した結果だと言える。この数十年、金融業を重視し過ぎた先進諸国の戦略は、世界を蝕む結果に終わった。
四つ目に、この度の危機は財政赤字危機である。
「藍皮書」によると、経済危機は上述した4つの問題が原因となっている。危機からの回復にはこうした問題を解決することが先決である。ただ、それらの問題を解決するのが非常に難しいこと、また、問題を解決しようとすれば景気回復を遅れさせることにつながる、という問題も浮上してくる。このため、この度の危機は今後も長く続くだろうし、今後、数々の弊害が現れるだろう。
「藍皮書」には、こうした情勢に対し、我々は以下のように先行きを予想し、その心構えをしておくべきだと指摘している:今後、相当長い間、中国経済は長期低迷する世界経済の中で運営していくことになる。また中国の貿易関連事業の成長は見込めないだろう。中国経済の成長における輸出依存度は今後大幅に低下するだろう。だが、輸出依存度が低下することは、中国に絶好の機会をもたらすことになるかもしれない。中国のGDPに占める経常収支黒字の割合は4%以下に下がるだろう。そうすれば、中国経済が長きにわたって輸出に依存してきた状態を根本から変えることになるかもしれない。中国が内需型の経済成長モデルに移行するきっかけとなるはずである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月9日 |