新聞出版総署はこのほど「電子書籍産業の発展に関する意見」を発表し、電子書籍産業の成長について具体要求と新目標を提示した。それによると、電子書籍基準をいち早く制定し、電子書籍業界の資格制度を構築するとともに、コンテンツ、資金、技術、人材など資源の最適化をはかり、自主革新力を高め、リーディングカンパニーや有名ブランドを確立していく方針。
中国は近年の電子書籍産業の急成長により、国別で世界第2の電子書籍市場となった。ところが、オリジナルコンテンツの不足、低い編集クオリティ、関連基準の欠如、版権保護手段の遅れ、無秩序な市場競争、産業監督の不行き届き、専門技術者の人材不足など様々な要素が電子書籍産業の成長を制約しており、問題解決が待たれている。
同意見は、電子書籍のコンテンツ基準制定チームを発足し、電子書籍の様式、品質、コンテンツ配信プラットフォーム、版権などの方面で業界基準および国家基準を設け、電子書籍の品質検査や認証を強化すると強調。関連業務に携わる企業に対して今後は業務別の審査と管理を実施。▽電子書籍の創作や編集出版、プラットフォーム運営業務に関わる企業は電子出版物出版元とネットワーク・パブリッシング・カンパニーとして、▽出版物コンテンツのデジタル化、編集加工、デジタルチップ組み込みに関わる企業は電子出版物複製元として、▽電子書籍の発行、卸売、小売、販売に関わる企業は電子出版物発行元として、▽電子書籍の輸入経営に関わる企業は電子出版物輸入元として---審査・管理が行われることになった。
従来の出版元、発行元、デジタル化技術プロバイダを後押しし、各自の強みを活かして共同で国家レベルの電子書籍コンテンツ配信プラットフォームを構築するほか、モデルとなる戦略的電子書籍産業プロジェクトを推進し、将来的に電子書籍の生産メーカーを国家デジタル出版基地の重点サポートの対象に加える方針。
単語解説:電子書籍
電子書籍は狭義には文字や画像、動画、音声などのデジタルコンテンツをダウンロードして閲覧する電子ブックリーダーを指す。新型の出版物として全世界で爆発的に売れている。中国では、多くの企業が電子書籍の生産分野に次々と進出、従来の出版社やネットワーク・パブリッシング・カンパニーも電子ブックリーダーを数多く発売している。統計では、09年の中国の電子ブックリーダー出荷台数は382万台。10年上半期の出荷台数は世界全体の2割を越え、米国に次ぐ台数。年間では910万台に達する見通し。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年10月11日 |