このほか、トヨタ自動車の危機処理における対応が一定していなかったことが挙げられる。豊田章男社長は2月5日から何度も記者会見の場を設け、メディアとの交流を行っており、如何なる機会を以ってしてもトヨタ自動車の考えを理解してもらいたい、との意向が伺える。だが、米議会の公聴会に関しては、17日、出席の意思が無い旨を示している。米メディアがこれを「逃げ」だと非難されるに至り、ようやく19日午前、公聴会の出席受諾を表明している。通常、米議会がトヨタ自動車社長を指名し、公聴会の出席を求めた場合、トヨタ側は選択の余地がないものである。また、米議会の公聴会は全国的に実況中継されるため、トヨタ自動車の考えを米国民に分かってもらう良い機会であり、豊田章男社長は早々とその準備にかかるべきなのである。だが、公聴会への出席という、このような大きな決定が、まるでやむにやまれずといった状態下で決定したことは、トヨタ自動車の危機に対する対応が、如何に主体性に欠けるものかが見て取れる。
トヨタ自動車の危機管理がこれほどまでに甘いことが原因で、危機的状態はますます深刻化している。米議会の24日の公聴会は、豊田章男社長にとって試練の場となることであろう。トヨタ自動車がこの深刻化する危機を脱したいと思うならば、製品の安全品質を高める努力をすると同時に、更に危機管理能力を高めていく必要がある。
「チャイナネット」 2010年2月24日 |