国際通貨基金(IMF)は米国東部時間の20日、新たに発行する総額2500億ドルの特別引出権(SDR)の配分プランを発表した。中国は新たに60億SDRを配分される予定で、これは価値にして90億ドルに相当し、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)中のトップだが、米国、日本、ドイツ、フランスの配分量には及ばなかった。「国際金融報」が伝えた。
同プランに基づき、新興市場と発展途上国には新たに1千億ドルに相当するSDRが配分される。うち中・低所得国へは180億ドル分のSDRが配分され、うち中国には90億ドル分、ロシアには66億ドル分、インドには45億ドル分、ブラジルには約30億ドル分が配分される。先進国では、米国が新たに426億ドル分、日本が150億ドル分を配分される。「国際通貨基金協定」に基づき、同プランはIMF理事会メンバー国の85%の同意があれば発効する。
IMFのストロス・カーン専務理事は同日に出した声明の中で、次のように述べた。
SDRの配分はIMFが世界的な危機に対処する上で重要な措置であり、かつての危機においてはメンバー国に重要な支援を提供するものとなった。短期的にみれば、メンバー国がより低いコストで準備資産を補完して危機に対処するのを助ける。長期的にみれば、メンバー国が国内政策を調整し危機を防止するのを助ける。言い換えれば、IMFは貸与可能な準備資金をより多く増やし、資金援助を必要とする国に提供するために、これらの国々の通貨の流動性を高めるのだ。新たに配分されるSDRがインフレ圧力をもたらすかどうかという問題について、IMFは、今回の配分は規模が相対的に小さく、世界全体の国内総生産(GDP)に対する割合は約0.3%に過ぎず、世界全体の貿易額に対する割合も約1.6%に過ぎず、世界全体の外貨準備の約3.6%に相当するほどの規模に過ぎないこと、また今後5年をめどに世界には過剰な生産能力が出現すると予想されることを踏まえ、今回配分されるSDRが支出に用いられることで生じるいかなる拡張型の影響もこの間に消化できると考えている。
しかしながら、SDRは配分が不合理で、国際準備資産の増加ニーズを満たすものではないと考える国は多い。特に対外債務返済能力の補完が必要な発展途上国には、十分なSDRが行き渡っていない。一方、対外債務返済能力が高い国ではSDRの蓄積がますます増え、余剰のSDRが大量に生じている。今年4月に英国・ロンドンで行われた20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)では、世界的な金融・経済危機に対処するために、総額1兆1千億ドルに及ぶさまざまな措置が打ち出され、IMFの今回のSDR新規発行も承認された。IMFはこのほか、5千億ドルの債券発行を予定している。(編集KS)
「人民網日本語版」2009年7月22日
|