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経済  
外資系銀行、中国戦場を「併呑」⑤

競争の技芸と悩み

北京のある外資系企業に勤める人物は、シティから口座開設の電話を受けたが、言葉遣いが丁寧で、聞いていて気分が良かった、と記者に語った。確かに、多くの外資は顧客担当マネージャーを対象に全面的な訓練を行っている。顧客を訪問した際の笑顔や歩き方、座り方、握手の仕方、話す言葉や口ぶりまで、一貫した標準化を求めているのだ。

シティは本来なら銀行がすべきでないことまで多くやっている、と見る外国人もいる。例えば、各種の講座や酒の品評会を開催したり、資産運用のVIPを組織して別荘を見学したり、車好きの顧客に新車を試乗させたり、顧客の子弟専門のイベントを開いたり……。見るからに、シティは1つのコミュニティーのようであり、これが銀行の経営手法である生活を販売する方式なのだ。

チャータードにも同様に自行の手法がある。常に顧客にビジネス優遇計画を通知し、各種のテーマ活動や社交的な集まりを組織することで、異なる地域の顧客の品位や好みを満足させている。例えば、06年の「ロンドン遊学団」や今年実施する予定の「将来のビジネスリーダーの訓練キャンプ計画」はいずれもチャータードが別の国で成功した経験に基づくもので、中国の青少年が自らを磨く活動だ。

各大銀行のキャンペーン戦も“火薬のにおい”を明らかに帯びてきた。上海浦東国際空港では、東亜銀行がATMを設置し、HSBCは間もなく搭乗券の広告を独占。シティもこれに甘んじることなく、大型広告塔を設置。チャータードも広告を掲げた。テレビでも、各銀行は相次いで「財政・経済」関連番組のスポンサーとなるなど、手法はすこぶる同じだ。

もちろん、熾烈な競争もそれ相応に悩みをもたらすことになる。専門人材の不足、または人材を留めておくのが難しいといった問題は、各外資系銀行大手にとって非常に頭の痛い問題だ。ある調査結果で、3分の2の外資で、年間に15%の中国人従業員が辞めていることが分かった。銀行業界の人材不足、中国人従業員の転職願望の強さ、仕事に対する忠誠心の薄さなどから、外資は本国から高い代価を払って従業員を招いて不足を補わざるを得ない。各銀行の間では、経験のある、顧客の扱いに慣れた人材の争奪もすでに“戦国時代”に入ったと言えそうだ。

「北京週報日本語版」2007年7月5日

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