本誌記者 曾文卉
中国共産党90歳の誕生日が間もなく訪れるのを前に、北京週報社は中国を訪問したドイツの歴史学者兼作家のゲルド・ケーネン氏にインタビューし、マルクス主義の現代社会における意義や氏の中国共産党史の研究について聞いた。
ゲルド・ケーネン氏
ケーネン氏は今年67歳。歴史学者としてこれまで、国際共産主義の歴史や東欧と早期ソ連の共産主義運動史、キューバとラテンアメリカのゲリラ戦、1968年の西洋新左派運動など、一連の歴史関連書著作を執筆した。
――「共産主義運動史」を研究する学者として、ご存知でしょうが、マルクス主義の普及は直接、各国の共産主義運動の発展ないしは中国共産党の創設を推進しました。マルクスの「資本論」は1867年の出版ですが、21世紀の今日、マルクス主義の研究はどんな現実的な意義があるのでしょう。
マルクス自身、「わたしが知るすべては、つまり、わたしはマルクス主義者ではないということだ」、こう語っています。マルクスは相対的に開放的な思想家であって、なにか固定不変なパターンや体系といったものを構想したことはなく、それら固定された体系はいずれも彼が亡くなった後に後世の人が彼の著作にもとづいて構築したものなのです。いまも彼の作品を読むのは、早期の著作を含め、やはり大いに益するところがあると思います。早期の著作は資本主義の生産方式を研究しているばかりでなく、文化批判の傾向をより呈しています。たとえば、彼が言及している「異化」という概念ですが、これはいまでもやはり重要な意義があります。
もちろん、マルクスは19世紀の思想家です。彼が思考し、分析しているのは、彼が置かれたその時代であって、彼も自らの時代に君臨するつもりはなく、事実にもとづいて真実を求めるように、その時代の歩みとともに自らの見解を示しただけなのです。わたしたちは21世紀に暮らしていて、私たちが明確にしなければならないのは、マルクスの著作に具体的な解決方法を見いだすのではなく、そこから非常に多くのインスピレーションを見いだし、弁証的に批判する思考方式を把握することで、脳を働かせてわたしたち自身がいるこのグローバル化された社会を観察し、自らの批判的な見解を提起することです。
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