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1960年代  
中国共産党第七期中央委員会第二回総会での報告

 

われわれはもうすぐ全国的勝利をおさめようとしている。この勝利は帝国主義の東方の戦線をつきやぶり、偉大な国際的意義をもつことになるであろう。この勝利をかちとるには、もうそれほど長い時間を必要としないし、それほど大きな力をついやす必要もない。だが、この勝利をうちかためるのは、長い時間をかけ、大きな力をついやさなければならないことがらである。ブルジョア階級はわれわれの建設能力にうたがいをもっている。帝国主義者はわれわれが結局はかれらにめぐみを乞わなければやっていけなくなるだろうと考えている。勝利をおさめると、党内にはおごりたかぶった気持ち、功労者を自任する気持ち、立ちどまって進歩をもとめようとしない気持ち、享楽をむさぼって二度と苦しい生活をしたがらない気持ちがうまれてくるであろう。勝利をおさめると、人民はわれわれに感謝し、ブルジョア階級もわれわれをもちあげるようになる。敵の武力がわれわれを征服できないこと、この点はすでに立証されている。だが、ブルジョア階級にもちあげられゐと、われわれの隊伍のなかの意志薄弱なもめは征服されるかもしれない。銃をもった敵には征服されたことがなく、こうした敵のまえでは英雄の名に恥じなかったが、糖衣でくるんだ砲弾の攻撃にはたえきれず、糖衣弾のまえには敗北をなめる、というような共産党員がいるかもしれない。われわれはこうした事態を未然にふせがなければならない。全国的勝利をかちとること、これは万里の長征の第一歩をふみだしたにすぎない。たとえこの一歩が誇るべきものだとしても、それはむしろとるにたりないもので、もっと誇るべきものはこれからさきにある。何十年もたってから、中国の人民民主主義革命の勝利をふりかえってみれば、それはちょうど長い芝居の小さな序幕にすぎないような感じがするにちがいない。芝居は序幕からはじめなければならないが、序幕はまだやま場ではない。中国の革命は偉大であるが、革命後の道のりはもっと長く、その仕事はもっと偉大であり、もっと困難なものである。この点は、いまから党内にはっきりといっておかなければならない。そして、同志たちに謙虚で、慎重な、おごらず、あせらない作風をひきつづき保持させなければならないし、同志たちに刻苦奮闘の作風をひきつづき保持させなければならない。われわれには、批判と自己批判というマルクス·レーニン主義の武器がある。われわれはよくない作風をすてて、すぐれた作風を保持することができる。われわれは、以前知らなかったものを学びとることができる。われわれは古い世界を破壊することができるだけでなく、新しい世界を建設することもできる。中国人民は、帝国主義者にめぐみを乞わなくてもやっていけるだけでなく、帝国主義国よりももっとりっぱにやっていけるようになる。

★ 中国共産党第七期中央委員会第二回総会は、一九四九年三月五日から十三日まで、河北省平山県西柏坡村でひらかれた。出席者は中央委員三十四人、中央委員候補十九人であった。この会議は、中国の人民革命が全国的勝利をおさめる前夜にひらかれたもので、きわめて重要な会議であった。毛沢東同志はこの会議でおこなった報告のなかで、革命の急速な全国的勝利を促進し組織するための諸方針を提起し、全国的勝利の局面のもとで党の活動の重心を農村から都市に移さなければならないことを説明し、党が全国的勝利ののち政治、経済、外交の面でとるべき基本政策、ならびに、中国を農業国から工業国に転化させ、新民主主義社会から社会主義社会に転化させる全般的任務と主要な道すじを規定した。毛沢東同志はこの報告のなかで、当時の中国経済の各種構成要素の状態と、党がとらなければならない正しい政策にとくに重点をおいて分析をくわえ、中国が社会主義的改造を実現するうえでかならず通らなければならない道を指摘し、この問題における「左」右のさまざまな偏向を批判するとともに、中国の経済が比較的はやい速度で発展することを確認した。毛沢東同志は、中国の人民民主主義革命が勝利したのちの内外の階級闘争における新しい情勢を見通し、ブルジョア階級の「糖衣弾」がプロレタリア階級の主要な危険となることをいちはやく警告した。これらすべての点から、この文献はひじょうに長い歴史的時期にわたって偉大な意義をもつものとなった。毛沢東同志のこの報告は、同年六月に書かれた『人民民主主義独裁について』という論文とともに、中国人民政治協商会議第一期総会で採択され新中国成立後かつて臨時憲法の役割をはたした「共同綱領」の政策上の基礎となった。党の第七期中央委員会第二回総会は、毛沢東同志の報告にもとづいて、これにおうじた決議を採択した。この会議ののち、中国共産党中央は河北省平山県西柏坡村から北平に移った。

「北京週報日本語版」1968年12月3日(No.48)

 

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