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1960年代  
中国共産党第七期中央委員会第二回総会での報告

  

われわれは広範な経済建設をすすめている。すでに党の経済政策は実際活動のなかで実施され、いちじるしい成果をおさめている。だが、なぜこのような経済政策をとるべきで、他の経済政策をとるべきではないのかという理論的、原則的問題について、党内には多くのあいまいな考えがある。この問題にどう答えるべきか。われわれは、つぎのように答えるべきだと考える。中国の工業と農業が国民経済のなかでしめる比重は、全国的にみて、抗日戦争前はだいたいのところ、近代的な工業が一〇パーセント前後をしめ、農業と手工業が九〇パーセント前後をしめていた。これは、帝国主義制度と封建制度が中国を抑圧した結果であり、旧中国社会の半植民地的·半封建的性質の経済面におけるあらわれであり、そしてまた、中国の革命の時期と革命勝利後のかなり長い時期におけるすべての問題の基本的な出発点でもある。この点から、わが党の戦略上、戦術上、政策上の一連の問題が出てくる。これらの問題をいっそう明確に認識し解決することは、わが党の当面する重要な任務である。それはつぎのような意味である。

第一に、中国にはすでに一〇パーセント前後の近代的な工業経済があるが、これは進歩的な点で、古い時代とちがうところである。こうした点から、中国にはすでに新しい階級と新しい政党、つまりプロレタリア階級とブルジョア階級、プロレタリア政党とブルジョア政党がうまれている。プロレタリア階級とその政党は、いく重もの敵の抑圧をうけて鍛えられているので、中国の人民革命を指導する資格をそなえている。この点を無視したり軽視したりするものは、右翼日和見主義のあやまりをおかすことになる。

第二に、中国にはまだ九〇パーセント前後の分散した小私有経営の農業経済と手工業経済があるが、これはたちおくれた点で、古い時代と大してちがわないところであり、わが国の経済生活の九〇パーセント前後はまだ古い時代のままに停滞しているのである。古い時代には封建的な土地所有制があったが、これは現在われわれによってすでに廃止されたか、あるいは廃止されようとしている。この点では、すでに古い時代とちがっているか、あるいはちがったものになろうとしており、われわれは農業と手工業をしだいに近代化の方向へ発展させる可能性をすでに獲得しているか、あるいは獲得しようとしている。だが、われわれの農業と手工業は、その基本形態からいえば、こんにちでもやはり、分散した小私有経営のもの、すなわち古い時代に似かよったものであるし、また今後かなり長い期間にわたってもそうしたものであるだろう。この点を無視したり軽視したりするものは、「左」翼日和見主義のあやまりをおかすことになる。

第三に、中国の近代的な工業の生産額は、まだ国民経済の総生産額の一〇パーセント前後をしめるにすぎないが、この工業はひじょうに集中しており、もっとも大きな、もっとも主要な資本は、帝国主義者とその手先である中国官僚ブルジョア階級の手に集中している。これらの資本を没収して、プロレタリア階級の指導する人民共和国の所有にうつせば、人民共和国が国の経済動脈をにぎることになり、国営経済は全国民経済の指導的要素となる。この部分の経済は社会主義的性質の経済であって、資本主義的性質の経済ではない。この点を無視したり軽視したりするものは、右翼日和見主義のあやまりをおかすことになる。

第四に、中国の私的資本主義工業は、近代的な工業のなかで第二位をしめており、無視することのできない力である。中国の民族ブルジョア階級とその代表的人物は、帝国主義、封建主義、官僚資本主義から抑圧または制限をくわえられていたので、人民民主主義革命の闘争のなかで、しばしば、これに参加するか、あるいは中立をたもつ立場をとってきた。こうしたことから、また、中国経済がいまなおたちおくれた状態にあることから、革命勝利後もかなり長い期間、国民経済の発展に役立たせるため、都市と農村の私的資本主義の積極性をできるだけ利用する必要がある。この期間には、国民経済に有利で害のない、都市と農村のすべての資本主義的要素は、その存在と発展を許すべきである。これはさけられないばかりでなく、経済的に必要なことである。だが、中国における資本主義の存在と発展は、資本主義国のように制限をくわえないで、これをはびこるにまかせるのではない。それはいくつかの面―活動範囲の面、徴税政策の面、市場価格の面、労働条件の面から制限される。われわれは資本主義にたいし、各地、各業種、各時期の具体的な状況におうじて、各方面から、適切な、伸縮性のある制限政策をとらなければならない。孫中山の資本節制というスローガンを、われわれはやはりもちいなければならないし、またもちいることができるのである。だが、国民経済全体の利益のため、労働者階級と勤労人民の現在と将来の利益のためには、私的資本主義経済にたいし、けっして、あまりにも大きな、あまりにも窮屈な制限をくわえてはならず、人民共和国の経済政策と経済計画のわく内で存在し発展する余地をあたえなければならない。私的資本主義にたいして制限政策をとれば、どうしても、ブルジョア階級、とくに私的企業のうちの大企業主、つまり大資本家から、さまざまな程度、さまざまな形での反抗をうけることになる。制限と反制限は、新民主主義国家における階級闘争の主要な形態となるであろう。もしわれわれが、いまは資本主義を制限する必要はないと考えたり、「資本節制」というスローガンをすててもよいと考えたりするなら、それは完全なあやまりであり、それこそ右翼日和見主義の観点である。だが、逆に、あまりにも大きな、あまりにも窮屈な制限を私的資本にくわえるべきだと考えたり、急速に私的資本を消滅してしまってもいっこうさしつかえないと考えたりするなら、これも完全なあやまりであり、これこそ「左」翼日和見主義または冒険主義の観点である。

第五に、国民経済の総生産額の九〇パーセントをしめる分散した小私有経営の農業経済と手工業経済は、近代化と集団化の方向へ発展するよう、慎重に、一歩一歩、しかも積極的にみちびくことができるし、また、みちびかなければならない。自由に放任しておく観点はまちがっている。生産、消費、信用の各協同組合と、中央、省、市、県、区における協同組合の指導機関をつくらなければならない。こうした協同組合は、私有制を基礎とした、プロレタリア階級の指導する国家権力の管理のもとにおかれた、勤労人民大衆の集団経済組織である。中国人民は文化的におくれており、協同組合の伝統がないので、われわれは困難にぶつかるだろうが、しかし、協同組合はつくることができるし、また、つくらなければならず、これを普及させ発展させなければならない。国営経済があるだけで協同組合経済がなければ、勤労人民の小私有経済を一歩一歩集団化の方向にむかうよう指導することはできず、新民主主義社会を将来の社会主義社会に発展させることはできず、国家権力におけるプロレタリア階級の指導権をうちかためることはできない。この点を無視したり軽視したりするものは、きわめて大きなあやまりをおかすことになる。国営経済は社会主義的性質のものであり、協同組合経済は半社会主義的性質のものであって、これに私的資本主義経済をくわえ、小私有経済をくわえ、国家と私的資本の協力する国家資本主義経済をくわえたものが、人民共和国のいくつかの主要な経済的要素であり、これらが新民主主義の経済形態を構成するのである。

第六に、人民共和国の国民経済の回復と発展は、対外貿易の統制政策なしには不可能である。中国の領土から帝国主義、封建主義、官僚資本主義と国民党の支配(これは帝国主義、封建主義、官僚資本主義の三者の集中的な表現である)が一掃されても、独立した、完全な工業体系をうちたてる問題は解決されたことにはならない。経済面で大きな発展をとげ、おくれた農業国からすすんだ工業国になったとき、この問題ははじめて最終的に解決されたことになるのである。この目的の達成は、対外貿易の統制なしには不可能である。中国革命が全国的勝利をおさめ、土地問題が解決されたのちも、中国にはまだ二つの基本的な矛盾が存在する。ひとつは国内的な矛盾、すなわち労働者階級とブルジョア階級との矛盾である。もうひとつは対外的な矛盾、すなわち中国と帝国主義国との矛盾である。したがって、労働者階級の指導する人民共和国の国家権力は、人民民主主義革命の勝利ののちも、これを弱めるのではなく、強めなければならない。対内的な資本の節制と対外的な貿易の統制は、経済闘争におけるこの国家の二つの基本政策である。この点を無視したり軽視したりするものは、きわめて大きなあやまりをおかすことになる。

第七に、中国の経済的遺産はおくれたものではあるが、しかし、中国人民は勇敢で勤勉であり、中国の人民革命の勝利と人民共和国の樹立、中国共産党の指導があり、さらには世界各国の労働者階級の援助、主としてソ連の援助があるのだから、中国の経済建設の速度はそう遅いものではなく、おそらくかなり速いものとなるであろう。中国の興隆は期して待つべきものがある。中国の経済復興にたいする悲観的な見方には、なんの根拠もない。

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