曽虎・新華社北米総支社長の案内で歴史的写真を鑑賞するキッシンジャー氏
■「改革の精神の推進者を目指す中共」
----ニクソン大統領の特使として1971年7月に中国を秘密訪問された当時の状況についてお話いただけますか。訪問があなたの生活に与えた影響は。
初めて訪中した際、私は自分が何を知ることになるかわからなかった。中国と付き合った経験も皆無で、中国についてしっかりと研究したこともなかった。訪中することを人に知られたくなかったので、余り多くの準備もできなかった。私は心を開いて、中国の人々や中国首脳との接触におもむいた。
それ以降、すでに少なくとも50回は訪中した。私は中国の4世代の指導者を熟知している。中国は私が最も長く交流し、最も深く付き合った国だ。中国はすでに私の人生の非常に重要な一部となっている。中国の友人は私にとって際立って大きな意味を持つ。私は孫たちを連れて北京五輪を観に行った。他にも多くの賓客がいたのに、われわれはやはり中国人特有の温かい歓待を受けた。現在孫娘が中国留学を希望している。私の家族はすでに中国と切っても切れない縁を結んでいる。
----中国の発展における中国共産党の役割をどのように受け止め、評価されていますか。
私は異なる政治環境から来たので、部外者の視点で中国共産党を見ている。中国共産党は改革の精神の推進者になろうとすると同時に、中国社会の新たな要素を取り込み、新たな社会的パワーの加入を認めることで自らを拡充し続けている。
■「中国モデルは世界に対して重要な意義を持つ」
----新著『On China』が米国で出版されました。今日の中国をどう評価されていますか。キッシンジャー氏の心に、中国はどのような国として映っていますか。
我々が今日見ているのは、多くの重要な面で変化が生じている中国だ。特に経済面で中国は非常に大きな成果を上げた。これは中国の人々の功績であり、これほど短期間にこれほどの急速な発展を実現させたのは彼らだ。私個人の経験からすると、いつまでも変わらないものは友人に対する中国人のよしみであり誠意だ。
----中国がこれほど短期間に急速な成長を実現できたのはなぜだとお考えですか。今後5年間に中国はどのような課題に直面するでしょうか。
中国の発展は遠大な卓見に富む中国指導者と献身的な中国の人々のおかげだ。これほど短期間にこれほどの急速な発展を実現させたのは彼らだ。中国が今後の発展において直面する課題は、引き続き沿海部と内陸部の経済発展格差を縮小させることであり、農村から都市への流入者がより良く社会にとけ込めるようにすることだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年6月14日
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