車内で話が弾む出席者
欧州人は鉄道では居眠りをしたり読書をしたりと静かに過ごす。余り静かなので乗車券の落ちた音も聞こえるくらいだ。だが今回、中国・欧州政党ハイレベルフォーラムの参加者60人余りは、北京から天津への高速鉄道の車内で静かではいられなかった。道中議論紛々、高速鉄道に驚嘆すると同時に、中国共産党の開放になおのこと驚いていた。人民日報海外版が伝えた。
■「そんな速い鉄道には乗ったことがない」
第2回中国・欧州政党ハイレベルフォーラムは16日に北京で開幕。出席者は17日、高速鉄道で天津へ向かった。リトアニア社会民主党の副党首は本紙の取材を受けている際に天津まで高速鉄道に乗ることを知り、興奮した様子だった。同副党首は高速鉄道について詳しく尋ね、100キロをわずか28分で走り、最高時速は300キロを超えると聞くと「そんな速い鉄道には乗ったことがない」と驚嘆した。
欧州社会党のアルティン・シュルツ党首は北京から天津に28分で到着したことに驚き喜んでいた。欧州自由党のファン・デル・ラーン副党首(オランダ人)には生後4カ月の娘がいる。同氏は中国の発展を実際に見るため訪中団に参加した。これまでは香港しか訪れたことがなかった。同氏は「オランダでは高速鉄道は時速250キロ前後。駅が多いため、150キロ余りが普通だ」と説明。遠くオランダにいる7歳の息子に時速300キロ以上の高速鉄道に乗ることを電話で伝えると、鉄道が大好きな息子は「中国に行きたい、高速鉄道に乗りたい」と言った。
車内で参加者からは「開放された中国共産党が開放されたフォーラムを開催したことで、開放された急速に成長する中国を見ることができた」との認識が示された。
リトアニア社会民主党副党首は「今回のフォーラムによって中国と中国共産党への理解が増した」と述べた。また、中国共産党が8000万人もの党員を擁することに驚きの声を上げた。リトアニアの総人口の20倍に相当するからだ。今回のフォーラムによって同氏は初めて中国を訪問する機会を得、本当の中国を目の当たりにした。万里の長城観光へ向かう途中で見た農家などから、中国農民の恵まれた居住環境や衛生施設、建築の安全性を知った。
■アレクサンダー氏の中国への思い入れ
英労働党・影の内閣のアレクサンダー外相は中国に対して特別な思い入れがある。母が1930年代に中国の瀋陽で生まれたのだ。英国でずっと暮らしてきたアレクサンダー氏は「ニーハオ」「シエシエ」といった簡単な中国語をいくつか知っている。こうした中国への思い入れのため、これまで何度訪中したか自分でもよく覚えていないくらいだ。だが1993年の初訪中時の光景は今も瞼に焼き付いている。当時まだ自動車は多くなく、路上で車がえんこし、数人がかりで路肩へ寄せなければならなくても、渋滞にはならなかった。現在では車の往来が絶えず、渋滞も日常茶飯事だ。
アレクサンダー氏は訪中前に中国の駐英大使とも会っている。アレクサンダー氏は「中国の発展には全世界が注目している。英国および欧米は中国およびアジアの台頭のもたらす影響を深く理解すべきだ。労働党は中国の発展をチャンスと見ており、これまで同様に良好な英中関係の発展に尽力する」と述べた。また、今回のフォーラムについて「中国経済は現在安定している。中国と中国共産党もより開放されている。今回の中国・欧州フォーラムはその良い証明だ。中国は双方の政党対話の場を設けた。労働党は中国共産党との交流や協力を非常に重視している。様々なチャンネルを通じて相互理解を深め、双方関係の発展を促したい」と述べた。
■交流を拡大し、理解と協力を模索
フォーラムの最初のプレスブリーフィングで中共中央対外連絡部の黄華光報道官は「中国共産党は全世界で交流範囲を拡大し続けており、すでに160以上の国・地域の600余りの政党と交流関係を築き、理解と協力を模索している。例えば米国の民主・共和両党との対話制度を試み、昨年4月と12月に北京と米国で対話を行い、著しい成果を挙げた」と説明した。
中共中央対外連絡部の王華・西欧局長は「中国・欧州政党ハイレベルフォーラムは、中国が世界への理解を深め、世界が中国への理解を深める場となった。近年来、中国共産党には多くの変化が起きており、その大きな1つが『一層の開放』だ。今回のフォーラムには欧州19カ国の31政党、5議会党団、5地域政党組織、そして80人余りの賓客が参加した。中国を訪れるのは初めてという参加者も多く、これまでメディアを通じて中国を理解していた彼らは、今回自らの目で活気みなぎる中国、時代と共に進歩する中国を見た」と説明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年5月18日
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