(三五)三中総いらい、わが党は中国の国情に適した社会主義的現代化建設の正しい道を逐次確立してきた。この道は今後とも実践の過程でたえず充実し、発展していくであろう。だが、その主要な点は、すでに建国いらいの正反両面の経験、とりわけ「文化大革命」の教訓から基本的に総括されている。
一、社会主義的改造が基本的になしとげられてのち、わが国が解決しなければならない主要な矛盾は、人民の日ましに増大する物質的文化的欲望と立ち遅れた社会的生産との矛盾である。党と国家は、経済建設を中心とする社会主義的現代化建設の面に活動の重点をうつし、生産を大きく発展させ、それをふまえて、人民の物質的文化的生活を逐次改善していかなければならない。われわれのこれまでの誤りは、結局のところ、この戦略的転換を断固としてやりとげなかったばかりか、「文化大革命」の期間に、いわゆる「唯生産力論」という、史的唯物論にまったくそむいたデタラメな観点を提起したことにある。今後は、外敵の大規模な侵攻にみまわれた場合をのぞき(その場合でも、戦争が必要とし、また許容する範囲で経済建設をすすめなければならない)、絶対にこの重点から逸脱してはならない。党の各分野の活動はすべて経済建設という中心に従属し、これに奉仕しなければならず、全党の幹部、わけても経済部門の幹部は経済理論、経済活動、科学技術の学習につとめなければならない。
二、社会主義の経済建設は、わが国の国情から出発して、力相応の仕事に取りくみ、積極的に奮闘し、段取りを追い、段階を分けて現代化の目標を実現していくものでなければならない。これまで、われわれの経済活動に長期にわたって存在した左よりの誤りは主として、わが国の国情を離れ、現実の可能性を越えて、生産建設、経営管理の経済的効果と各分野の経済計画、経済政策、経済措置の科学的論証を無視し、そのため大量の浪費と損失をもたらした点に現われている。われわれは、科学的な態度をとり、深くほりさげて状況をつかみ、これを分析し、各分野の幹部、大衆、専門家の意見を真剣に聞き、客観的な経済法則と自然法則にもとづいて事を運ぶよう努め、各経済部門が比例に応じてバランスのとれた発展をするよう努めなければならない。われわれは、わが国の経済、文化がまだかなり立ち遅れているという基本的事実を見てとると同時に、わが国の経済建設ですでにかちとった成果と経験や、国際的な経済技術交流の拡大など内外の有利な条件を見てとり、これらの有利な条件を十分に利用しなければならない。功をあせることにも反対し、消極的な気持になることにも反対しなければならない。
三、社会主義における生産関係の変革と改善は、生産力の状況に適応し、生産の発展に役立つのでなければならない。国営経済と集団経済はわが国の基本的経済形態であり、一定範囲における勤労者の個人経営経済は共有制経済の不可欠な補完物である。各種の経済構成要素に適した具体的な管理制度と分配制度を確立しなければならない。共有制を土台として、計画経済を実行し、同時に市場メカニズムによる調節の補助的役割を発揮させなければならない。社会主義の商品生産と商品交換を大いに発展させなければならない。社会主義的生産関係の発展には、固定したモデルがあるわけではない。われわれの課題は、わが国の生産力発展の要求にもとづき、各段階でそれに適した、また前進をつづけるのに役立つ生産関係の具体的形態をつくり出していくことである。
四、階級としての搾取階級が消滅してのち、階級闘争はもはや主要な矛盾ではなくなった。だが、国内的要因と国際的影響によって、階級闘争はなお一定の範囲で長期にわたり存在し、ある種の条件のもとでは激化することもありうる。したがって、階級闘争を拡大化する観点にも反対し、階級闘争はすでに消滅したとする観点にも反対しなければならない。社会主義を敵視するさまざまな危険分子の、政治、経済、思想文化、社会生活の各分野におけるさまざまな破壊活動にたいしては、高度の警戒心をもち、効果的な闘争をおこなわなければならない。わが国の社会に大量に存在する、階級闘争の範囲には属さないさまざまな社会的矛盾については、これを正しく認識し、階級闘争とは異なった方法で正しく解決しなければならない。さもなければ、社会の安定、団結をそこなうことになろう。結集しうるすべての勢力を断固として結集し、愛国統一戦線をうち固め、拡大しなければならない。
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