北京市はこのほど、市党委員会指導者を初めて問責対象に加えた「党と政府の指導幹部の問責に関する暫定規定」実施規則を発表した。09年7月の「全国版問責規則」より厳しい内容だ。広東省や重慶市も同様の措置を取っている。中国の問責制は全面的な加速を始めた。「人民日報海外版」が伝えた。
■問責主体の格上げは大きな進歩
北京版問責規則は問責対象を政府指導部から党と政府の指導幹部へと拡大した。北京市党委員会指導者が初めて問責対象に加えられた。
解説:問責の実施においては、まず問責の主体問題を解決しなければならない。これまでこれは明確でなかったが、今回北京市は問責主体を専門機関や機能別部署から党委員会・政府へと拡大した。問責主体の格上げは大きな進歩だ。これまで各地の問責制で対象となったのは主に行政官僚で、同様に政策決定者である党委員会指導幹部が問責されることは少なかった。行政官僚にとってこれは明らかに不公平だった。党委員会指導者の決定は、より重要であることが多いからだ。問責制度が公平性を欠けば、問責される官僚を心から納得させることも、大衆を満足させることもできない。
■問題を起こした官僚は2年間は抜擢されず
北京版問責規則は、引責辞任、辞任命令、免職問責処分となった党・政府指導幹部について、1年間は元のポストに相当する指導ポストに就けてはならず、2年間は抜擢してはならないと定めている。
解説:過去に起きた重大公共事件の典型的ケースを見ると、問責される官僚の大部分は政治的、道徳的、行政的責任感を欠き、民衆や社会からの信頼を失い、政府のイメージも悪化させている。
■社会的関心の高い問題が問責の取っ掛かりに
北京版問責規則は、世論からの反響が大きい重要問題について、問責決定機関または紀律検査監察機関、組織・人事部門は幹部管理権限に則って真剣に事実を確かめ、問責すべきと判断した場合は規定の手続きに則って問責に着手すべきだと定めている。
解説:北京版問責規則は問責の取っ掛かりとなる情報源を拡大し、社会からの監督を指導者問責の仕組みに取り込んだ。これによって大衆は事実上、問責手続きを始め、問責権を行使する重要な構成員となった。
■問責と党紀律処分は別
北京版問責規則は、党・政府指導幹部への問責を党・行政紀律処分や刑事処罰の代替としてはならないと定めている。
解説:党・政府指導幹部への問責実施と党・行政紀律処分は同じではない。党・政府指導幹部に対しては問責と同時に紀律責任も追及し、規定に則り党・行政紀律処分を課す必要がある。犯罪の疑いがある場合は、法的に処理するため司法機関に移送しなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年3月24日
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