中米両国の指導者は、米カリフォルニア州のアネンバーグ旧邸から北京の中南海までのここ1年余りで、会議や電話、書簡のやり取りを重ねて緊密な関係を保ち、「新型の大国関係」構築を着実に前進させてきた。初期段階ながら成果も少なくない。(人民日報「鐘声」国際論評)
中米両国が地域と世界の問題解決を推進するために努力していることには特に注目が集まっている。今回達成された温室ガス排出削減合意はその典型例だ。伝統や文化、政治制度が違う二つの大国が「大国関係」という新たな道を切り開くだけでなく、世界の持続的な平和と共同繁栄を進め、各国の人々に平和と発展の恩恵をもたらすことができることを、人々は目の当たりにしつつある。両国の各界は、新型の大国関係の構築という理念を評価し、今後に高い期待を抱いている。
中米首脳会談は、アジア太平洋経済協力(APEC)の非公式首脳会議後に行われた。APEC会議では、アジア太平洋の経済貿易発展の推進や将来の地域協力の構築のためのロードマップが示された。中米両国の連携もあり、大きな枠組みはほぼ形を整えつつある。新型の大国関係の構築にあたっては、この枠組の下での両国の協力も重要な内容となっていく見込みだ。
中米両国には見解の相違があるものの、協力分野は幅広く、潜在力は大きい。協力が進めば相互信頼も深まり、双方の利益が共通する範囲はますます拡大し、発展の障害となる相違は縮小していくものと見られる。
中国と米国が地域と世界において有効な連携と協力を進めるには、アジア太平洋が出発点となる。アジア太平洋もまた中米両国の協力を必要としている。今回のAPEC非公式首脳会議で打ち出された北京ロードマップや、中国の推進する「一ベルト一ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略計画、アジアインフラ投資銀行の設立などは、中国のはっきりとしたアジア観を示すものだ。その核心は、協力とウィンウィンにあり、協力という精神によって共同安全を構築し、共同繁栄を促進することにある。
アジアの発展は、勢力均衡や軍事同盟によってバランスを取る従来の危険な道をたどるべきではない。中米両国は、勢力均衡や軍事同盟によってではなく、国家間の「安全保障のジレンマ」を克服する新たな道を模索し、アジア地域全面の発展のために歩み寄らなければならない。アジアの発展プロセスにおける中米の協力強化には、現実的な意義だけでなく、大国関係の歴史的な実践、協力とウィンウィンという大国間の新たな道の模索という意義がある。
中米新型の大国関係の戦略目標ははっきりしている。これを概念にとどめておいてはならない。また現段階で得た成果に満足していてもならず、さらなる前進を目指さなければならない。水がたまれば淵となり、土が積もれば山となる。我々は、戦略の高みと長期的な視野を出発点とし、中米の新型の大国関係の建設を絶えることなく推進していく必要がある。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年11月14日 |