これらの「根拠」は客観的に存在し、世界秩序もさらなる変化の過程にある。キッシンジャー氏は『世界秩序』で「21世紀の世界秩序の変化において責任を担う役割を果たし、米国はその直面する多くの問題にしっかりとした答えを出す準備をしなければならない。世界秩序がどう変化するかに関わらず、米国はどのような状況の発生を防がねばならないのか?米国はどのような目標を達成したいのか?米国は何をすべきでないのか?米国が広めようとする価値観の本質は何か?」と指摘した。キッシンジャーの示したこうした問題については米国で争いがあり、米国を悩ませてもいる。
米国を最も悩ませている対外戦略問題は中露への対応だ。オバマ大統領の対露関係「リセット」は頓挫し、現在はいかに「再リセット」するかという問題に直面している。オバマ大統領は中米の新型の大国関係の構築について中国側と合意したが、その言動には相いれない所が多々ある。米国の世論には「中国脅威論」と「ロシア脅威論」を受け入れる一定の土壌がある。米露間、中米間の深いレベルの矛盾を考えると、米露関係、中米関係が順風満帆に行くことは期待しがたい。だが中露を敵にまわすことは、米国の長期的・戦略的利益に明らかに合致せず、中露も米国の敵となることは望んでいない。従って、米国が最もすべきでないのは、新たな敵を作ることだ。かつてブレジンスキー氏は「もしわれわれが中国を敵と見なせば、彼らは敵に変わる」と米国人を戒めた。この言葉はロシアに対しても当てはまる。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年10月14日
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