世界保健機関(WHO)は4日、エボラ出血熱の最新情報を発表した。8月1日時点で、西アフリカの感染の疑いのある人は1603人、死者は887人に達した。WHOの陳馮富珍(マーガレット・チャン)事務局長は、WHOの緊急会議を8月6日と7日に開き、エボラ出血熱の影響の程度について分析し、国際社会の支持を求めると表明した。世界銀行とアフリカ開発銀行は4日、ギニア、リビリア、シエラレオネの3カ国に、2億6000万ドルの緊急援助を提供すると発表した。
西アフリカのエボラ出血熱の感染には、緩和の兆しが見えていない。WHOは4日、「7月31日と8月1日の2日間だけでも、ギニア、リビリア、シエラレオネ、ナイジェリアで感染の疑いのある人が163人、死者が61人増加した」と報告した。
この西アフリカ4カ国のうち、前3国は感染が特に深刻となっている。ナイジェリアでは最近になり、感染者の報告がゼロの日も出てきている。しかしWHOは、ナイジェリアで医療関係者や国を跨ぐ感染例も見られるため、重視を続けていく。
AP通信の報道によると、エボラ出血熱の致死率は90%に達すると見られるが、医療関係者の話によると現在の死亡率は約60%に低下しているという。富裕層が真っ先に病院に送られ、生き残っているという。南アフリカの健康情報サイトによると、エボラウイルスは現在まで発見されているうち、致死率が最も高いウイルスの一つであり、効果的な治療法が見つかっていない。エボラウイルスの潜伏期間は2日から21日とまちまちだ。エボラウイルスの確認されている主な感染ルートは、感染者の血液・分泌物・その他の体液、感染者の死体との接触だ。
デイリー・テレグラフ紙は、「専門家の話によると、エボラウイルスの治療法がまだ見つかっておらず、現時点では対応する力のない少数の国にしか影響が及んでいないことから、欧米の製薬会社はワクチン開発への投資を避けている。例えばエイズのように、西側諸国が脅かされなければ、ワクチンと薬が開発されることはない」と報じた。