日本情報通信総合研究所研究員の山口平八郎氏によると、自動運転車の実現には次の課題がある。第一に、法制整備。自動運転車で事故が発生した際の責任の所在をどうするか。自動車メーカーに責任を取らせるのか、自動運転システムの開発者か、それとも運転者か。事故に対する「自動車保険のあり方」の変更も必要となる。第二に、技術・安全面。自動運転車と手動運転車が混在して道路上に存在することで問題が引き起こされる可能性がある。交差点の右折などでは、手動運転車の運転者はほかの運転者とコミュニケーションを取ることで事故が起こらないようにしている。だが自動運転車は、道路インフラからの情報を受け取ることで状況を判断する。そのため自動運転車同士だけでなく、人間と自動運転車がコミュニケーションを取れる手段の開発が必要となる。
英国の最新の世論調査によると、英国の成人の回答者のうち56%が「無人運転車を買うつもりはない」と答えた。4分の1の回答者はさらに、このような「ロボットカー」の安全性は信頼できないとしている。
英国政府は、「科学技術で主導権を握り、経済と社会に新たなチャンスを開く」という総合判断に基づき、無人運転車の公道走行を来年から許可することを決めた。だが各種の課題の制約を受け、初期段階では、特殊な公道または専用車線だけでの走行を許可するなどの変更を余儀なくされている。無人運転車の開発は、こうした試験走行を重ねることによって、安全面でのもれを検査し、ゆっくりと改善されていく見込みだ。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年8月5日 |