ロシア外務省は29日、日本の対露制裁について、両国関係の発展を損なうとする声明を発表した。声明は「日本が制裁をマレーシア航空機のウクライナでの墜落と結びつけたのは不当だ。日本が対露追加制裁を決定したのは非友好的で長期的な視点を欠いており、日本がウクライナ危機の原因を完全に誤って理解していることを示している」とした。新京報が伝えた。
声明は「日本のこの行動は、ロシアとの関係発展に尽力する意図が偽りであることを物語っている。日本には米国のコントロールから抜け出す力が全くなく、自国の根本的利益に合致する独立した政策を実行する力がない」とした。
日本の菅義偉内閣官房長官は28日、ロシアがウクライナ危機の解消に協力していないことに鑑み、ロシアへの追加制裁を決定したと発表した。(1)クリミアのロシアへの併合およびウクライナ東部情勢の不安定化に直接関与した個人や団体に対する日本国内の資産凍結。ロシア政府高官やウクライナの民間武装指導者などが対象(2)欧州復興開発銀行の決定に照らし、ロシア向け新規融資の停止(3)クリミア産品の輸入制限――が主なものだ。管氏は対露制裁はEUやG7と足並みを揃えるためだと述べた。
これに先立ちEUと米国が最初の制裁を対露実施した際も日本は足並みを揃えると発表したが、比較的弱い制裁であり、二国間対話の中止やロシア政府関係者23人の入国禁止などで、資産凍結などはなかった。28日発表の追加制裁によって、この不足が「補われ」た。閣議決定を経て、早ければ今週中に実施される見込みだ。
アナリストは、日本が米欧に従ってロシアに制裁を加えることによる最も直接的な悪影響は、今年秋に予定されるプーチン大統領の訪日が中止されることだと指摘。管氏も28日の記者会見で、この問題について聞かれたが、訪問について現時点ではまだ決まっていないとした。
■米政府はただちに日本に「謝意を表明」
日本が対露制裁を全面的に推し進めることを、米側は速やかに称賛。ケリー米国務長官は29日午前、岸田文雄外相との電話会談で日本側への「感謝」を表明した。
アナリストは日本が対露制裁を強化した重要な背景として、戦後の自衛隊への規制を突破し、集団的自衛権の行使に全力を挙げている安倍政権にとって、目標達成のためには米国の支持が重要であることを挙げた。米国は対露制裁に加わるよう同盟国に働きかけ続けている。28日に訪韓した国務次官も、制裁に加わるよう韓国に呼びかけた。だが韓国メディアは、ロシアと良好な経済・外交関係にあることが、韓国が具体的意義のある対露制裁を講じることを難しくしていると報じた。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年7月31日 |