ウクライナで先月起きた事は、容易にロシア人によって「色の革命」の1つと定義された。西側メディアはプーチン大統領が座視することはないと早くから分析していた。だが西側の頭のぼうっとした政治屋は彼らの支持するウクライナの一派に自制するよう警告しなかった。
西側は今、国家の領土保全の重要性を思い出した。だが彼らは以前、何をしたか?1999年のコソボ紛争前、西側は主権国家であるユーゴスラビア連邦共和国に対してコソボ・メトヒヤ自治州からの軍の撤退を強制。NATOは国連の承認を得ずにユーゴスラビア連邦共和国に対して70日以上の空爆を実施した。コソボ独立は完全に爆撃によって実現したものだ。
西側はチェチェン分離運動も支持した。欧米メディアはしばしばチベットを「国家」と見なして描く。クリミアの独立運動の前に、実は西側は主権国家の領土保全という国際規則の尊重に、数え切れないほどの落とし穴を掘ったのだ。
クリミアの住民投票から、1954年までロシア領だったこの半島のロシアによる「併呑」までには、まだ一定の距離がある。ロシア政府はその「加入」を受け入れるかどうかについて依然一定の曖昧さを保っており、プーチン大統領は公に姿勢を表明していない。
クリミア危機はまずキエフの「色の革命」に対するウクライナおよび周辺情勢の反発により近く、「ロシアの版図拡大」はロシア政府が綿密に立てた計画ではないようだ。クリミアおよびウクライナに対するロシアの姿勢を変えさせるには、西側はロシア締め出し戦略を抜本的に反省する必要があるだろう。ロシアと西側の緩和および妥協は相互的なものでしかあり得ない。
冷戦終結後、米国と西側は軍事攻撃と制裁を発動し続け、強力な挑戦を受けることがなかった。これによって力を模範とし、天下に号令する悪習が培われた。ロシアの今回の行動は彼らに対する容赦ない反撃のようだ。もちろん、それが国際法上完全に通用するかどうかについては、小さな弱みさえもつかまれるものだ。
世界は道理をわきまえ、国際法を重んじる必要がある。だがこれを徹底するには、道理と法の重視を国際社会の揺るがぬ至高の原則とする必要がある。ダブルスタンダードをはびこらせ、西側に有利なこと、米政府にとって有利なことを遵守すべき道理や法とさせてはならない。クリミア危機を通じて、全世界、特に西側は率先してこの問題をはっきりさせる必要がある。この危機の最終的結果が西側利益至上主義のまた新たな実現となってはならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年3月18日
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