ニューヨーク・タイムズは20日の記事の中で、「安倍晋三首相の政治的盟友がこのほど公然と民族主義的な発言をしており、米国を批判している。これを受け米国の一部の専門家は、両国関係の冷え込みが深まりつつあると警鐘を鳴らしている」と伝えた。
この記事が引用した最新の事例は、衛藤晟一首相補佐官がこのほどユーチューブで発表した「国政報告」だ。衛藤氏は報告の中で、米国が安倍首相の昨年12月末の靖国神社参拝に「失望」を表明したことを批判し、米国のこの態度に「失望」していると称した。衛藤氏はまた、「米国はなぜ日本に良くしようとしないのか?」と問いかけた。
靖国神社には東條英機ら、第二次世界大戦の14人のA級戦犯が祀られている。安倍首相は中韓などの被害国の国民感情、バイデン米副大統領の説得を無視し公然と参拝し、中韓などの強い反発を引き起こし、中韓との関係をさらに冷え込ませた。駐日米国大使館と米国務省も、「失望」という言葉で不満を表明した。
同記事は専門家の分析を引用し、靖国参拝は米国の安倍首相に対する態度を変化させた「ターニングポイント」だとした。スタンフォード大学の専門家のダニエル・シュナイダー氏は、「この行為は、安倍首相が再任後もいわゆる愛国精神により、戦後日本の改造を試みていることを示した」と語った。
同記事は、安倍首相の靖国参拝と米国の批判は、日本国内で新たな歴史修正主義の議論を引き起こしたと指摘した。
NHKの籾井勝人新会長は先月、慰安婦問題について発言した際に、「慰安婦問題は第二次世界大戦中にどこの国にもあったことであり、日本だけを責めるべきではない」と称した。同記事は、この発言が米国に眉をしかめさせたと伝えた。
NHK経営委員の百田尚樹氏は今月3日、東京の街頭演説の際に南京大虐殺を否定し、同時に米軍が第二次世界大戦中に東京に空襲をしかけ、広島と長崎に原爆を投下した行為が「大虐殺」であると称し、東京裁判は米軍の戦争の罪を隠すため開かれたと主張した。駐日米国大使館は百田氏の発言について、「でたらめで滑稽」とコメントした。
同記事によると、安倍首相は韓国の不安を解消する十分な努力をしておらず、その右翼的な言行は日本がアジアで地位を取り戻すための取り組みを損ねる可能性があり、米国の高官を憤らせていると分析した。
同記事は拓殖大学の国際関係専門家である川上高司氏の発言として、「日米関係は最も危険な時期を迎えている。日本は孤立したと感じている」と伝えた。
同記事によると、米国の憤りは安倍首相に対する矛盾した心理を反映している。米国は米日同盟をアジア太平洋リバランスの基盤としているが、その一方で安倍首相が平和憲法を改正し、正常な国になるという名義により第二次世界大戦中の罪を薄れさせることを懸念している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月21日 |