米国のエリートにとっては、知的財産権の保護、サイバーセキュリティの強化、米国製品への中国市場の開放といった経済問題も両国関係における重要な問題だ。米国市民の多数は中国の米国債保有、雇用機会が中国に流れること、対中貿易の赤字に強い懸念を示した。一方、米国のエリート、特にビジネス界と退役軍将校は「知的財産権を盗み取る行為」を非常に深刻な問題として挙げた。
■互いの譲れぬ一線を早急に理解すべき
中米両国のエリートは共に、抽象的な信頼はそれほど重要ではないかもしれないとの認識を示した。回答者は両国関係を強化できるかどうかに、より関心を示した。市民には他国の信頼性を正確に評価する術はないだろう。一方、政府は他国政府の約束履行の状況を見て、その信頼性を評価することができる。両国政府が互いに約束を守ると確信しさえすれば、「対立」下でも相互信頼はある。同様に、ビジネスマンは相手のビジネス契約の遵守または知的財産権の尊重の状況を見て信頼性を判断することができる。
中米共に「新型の大国間関係」は抑止または競争関係のみで構成されるものではないとの認識を示した。中米は協力パートナーであると同時に競争相手でもあり、あるいは両者の間に位置する。中国のエリートからは「中米両国は協力パートナーであると同時に競争相手でもあることができる。これが中米両国関係の真の描写だろう。両者の間に位置する関係であるかもしれない」との声が上がった。米国のエリートは相互信頼の仕組みの構築に着手し、実行に移し、両国関係の後退を防ぐべきだと考えていると見られる。
この他、どのように権力を配分すれば双方の利益に最も資し、世界の平和と安定を確保できるかについても、中米両国のエリートの見解には明らかな隔たりがあった。米国のエリートは米国が世界で支配的地位または唯一のリーダーシップを維持することを支持する傾向にあるが、中国のエリートは多極化をより支持した。この違いは特に中国が経済力と軍事力を急速に強めている西太平洋地域において、両国関係に深刻な試練をもたらす可能性がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年12月23日 |