米カーネギー国際平和財団と中国戦略文化促進会常務副会長兼秘書長の羅援将軍の率いるチームは1年余りの時間をかけて行った共同調査の報告書を12日に発表する。報告書の執筆者の1人である羅氏は11日の取材に「中国の一部の発言が西側メディアに注目されているが、今回の調査結果は、中国の各分野のエリートと一般市民は実は米国を敵と見ていないことをはっきりと示している。米側の調査対象も、中国を安全保障上の主要な脅威とは見ていない」と指摘した。環球時報が伝えた。
米誌ワシントン・ポストの11日付記事によると、今回調査対象となったのはエリート層(政府幹部、軍の学者、実業家、ジャーナリスト、民間の学者)および一般市民。
報告によると中米両国間の不信感は強いが、大多数の中国人は米国を敵ではなく競争相手と見ている。調査で非常に関心の高かった質問は、どの国が世界を指導すべきか、中国の台頭と世界大国化、米国衰退の可能性への見解だ。ワシントン・ポストによると、双方の大部分のエリート層は、自国が世界的リーダーシップを発揮すべきだと考えている。一方、そう考える市民は中国人では45%のみ、米国人では74%だった。驚くべきことに、実は中国の政府幹部の21%と軍の学者の12%が、中国は世界的リーダーシップを全く追求しないと表明した。中国では軍のエリートの大部分が両国間の戦略均衡を支持し、他のエリートも同じ見解だった。
環球時報は11日に報告書の中国語版を入手した。羅氏は環球時報の取材に「今回の調査は中米の新型の大国間関係の構築に着眼し、民意の視点から定性、定量分析を行うことで、中米が相手国をどう見ているか、共通点と溝はどの方面にあるかを比較的正確かつ客観的に映し出すことが本来の目的だ。調査結果は中米関係の今後の政策決定の参考になりうる」と述べた。
報告によると、米国市民の中国に対する懸念は59%で経済力が軍事力を上回り、軍事力を懸念するのは28%のみだった。対照的に、中国市民の米国に対する懸念は軍事力(34%)が経済(20%)を上回った。
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