現在開催中の第9回中国・北東アジア博覧会では今年末に行われる中日韓自由貿易協定(FTA)交渉の第3回会合が焦点となっている。このFTAが締結されれば、関係国・地域の経済推進に重要な影響を与えるとみられている。ただ当面の問題を考えると、中日韓FTA交渉の見通しは明るいが、道のりは険しいといえる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中日韓FTA交渉は2012年11月に始まり、今年3月に韓国・ソウルで第1回会合が開かれた。7月に第2回会合が中国上海で開かれ、貨物貿易、サービス貿易などの議題をめぐって協議・交流を行った。今年末に第3回会合が日本で開かれる予定だ。
中国商務部の高燕副部長は北東アジア協力トップフォーラムで、「まだ交渉中の中日韓FTA、中韓FTA以外に北東アジアには一つも地域経済協力の枠組みがない。各国は北東アジア協力フォーラムなどのプラットフォームを通じて共通認識を固め、地域内各国の協力体制の構築・充実を促し、北東アジア経済の融合と発展に向け力を注ぐべきだ」と述べた。
同博覧会に出展したIBCジャパン株式会社の森谷一郎代表取締役は新華社の記者に「日中韓自由貿易区の設立は大歓迎」と語った。森谷氏は日中ビジネスサイトを運営し、日中両国企業の海外投資に関するコンサルタントと指導を行っている。日本経団連の米倉弘昌会長も「日本で経済協力を推進する過程において、地域の経済協力協定がカギとなる」と指摘する。
「すべての韓国の経済関係者にとって韓中日自由貿易区の設置は非常に大きなチャンスになる」と韓国グラスロック社海外事業部の羅喜中部長は語る。「協定が1日も早く締結してほしい。そうすればわが社により多くのチャンスと利益がもたらされる」。
データによれば、2012年の中日韓3カ国の経済総額は14兆3000億ドル、世界の約20%を占めた。3カ国は世界の貿易大国でもあり、昨年の輸出入総額は5兆4000億ドルに上り、世界の貿易総額の35%を占めた。
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