経済的に急速に台頭し、しかも経済規模で急速に接近している中国に対して、米国はもう釈然としてはおられず、誘導と協力という双方にメリットのある事が、抑圧と競争の色彩を強められる可能性がある。米国はグローバル化をリードする熱意をなくし、グローバル化に逆行する心理すら生じている。多くの事例が示すように、米国という「最も自由市場の性質を備えた」場所において、中国の民営企業は経営が難航している。
アジア太平洋地域は世界の未来を代表していると広く考えられている。中国経済は急速な成長を依然維持し、世界の経済の活力、貿易の活力を代表する最大の存在だ。地域の貿易自由化の問題で、アジアが米国抜きで、あるいは米国の同意なしには何もなしえなかった時代はすでに過去のものとなった。ASEAN10カ国と中国を含む他の6カ国は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の実現で同意。2013年5月にはブルネイの首都バンダルスリブガワンで初交渉が行なわれた。これはASEANを中心とする各自由貿易協定を整理統合し、より広範な貿易の自由化と経済の統合を実現することを目標としている。RCEPが実現すれば、約30億人の人口をカバーし、GDPは20兆ドルに接近して世界の3分の1を占めることとなる。
米国がひとたびTPPまたはTTIPを実現すれば、中国は「WTO加盟」時の困難に再度直面することになるだろう。TPPがはっきりと示す対中経済戦略の異常な変化は、活力に満ちた中米経済貿易環境に影響を与え、中米間の相互疑念を激化させる恐れがある。オバマ政権が限られた枠を設定していることは、米国の戦略的視野がすでに狭まったことを示している。アジア太平洋地域の広範かつ深い統合のプロセスをどう推進するかにおいて、中米が自国のことのみ考えることは不可能だ。将来TPPとRCEPの連結を実現するうでも、事前の設定が必要だ。
こうして見ると、中国を長期間排除する、または中国を特別な目で見るTPPは中米の経済貿易関係の将来の姿を映し出すプリズムとなると考えられる。TPPの戦略性、大局性、長期性は軽視できず、中米戦略経済対話で重要な議題として取り上げる必要が当然ある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年7月16日 |